ヤブガラシとノブドウ
ウオーキングコースの金網フェンスに、つる性植物が競うようにして繁茂しています。改めて子細を観察してみました。
ヤブガラシ:
ヤブガラシはブドウ科ヤブガラシ属の植物で、道ばた、空き地やヤブ等どこにでも繁殖するつる性の”迷惑”多年草です。
その旺盛な繁殖力でヤブをもすっぽりと覆い尽くして枯らしてしまうほど、というのでこの名前。また手入れの悪い貧乏くさいところを覆い尽くすので、貧乏蔓(ビンボウカズラ)とも。
6月から秋にかけて平べったい花序をつけます。花は4弁花で黄緑色、おしべも4本。咲き始めは、中心付近の”花盤”と呼ばれる部分が橙色をしています。
花の咲きはじめは花柱が短く、花盤から滲みだした蜜が水滴のように見えます。やがて花柱が伸びてくると、早くも午前中には黄緑色の花被片は脱落しはじめ、ついで雄しべも脱落してしまいます。
その後、オレンジ色の花盤がピンク色から白色に変わり、蜜の分泌も少なくなって花期を終えます。(画像はクリックで拡大します)
花盤から浸みだすように分泌される蜜を求めて、アオスジアゲハなどのチョウやスズメバチなどハチ類、また甲虫類がよく集まってきます。
花の一つ一つはごく小さいので、一度に得られる蜜はわずかのようですが、花の数が多く、また開花期間も夏から、他植物の花が少なくなる秋までと長いため、人様にとっては始末に手がかかる迷惑雑草ですが、虫たちには結構人気の植物のようです。
ノブドウ:
一方、ノブドウは同じような環境に競う合うようにして繁茂していますが、こちらはブドウ科ノブドウ属に属するつる性の落葉低木植物です。
木本性ですが太くなって高木になることはありません。花は夏に開き、全体に黄緑色ですが、花の形はヤブガラシによく似ています。
ただし 花弁は5枚、雄しべも5本です。花弁と雄しべは早期に脱落してしまうので、よく探さないと完全な花は見つけにくいです。
花はその後も蜜を分泌しているので、アリや甲虫など小昆虫が多数訪れています。また当初緑色の丸い果実は秋には淡い紫色を経て空色に熟します。
道路境界の金網フェンスや生垣などに侵入して絡んでしまうと除去に手間取る迷惑雑草(木)仲間です。
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