フシグロセンノウ、ヌスビトハギ、コオニユリ、ミソハギ、オオスカシバ
姫川源流から親海湿原へと林間の道を辿っていくと、林縁の草むらに朱赤色の花が目に飛び込んできました。
フシグロセンノウです。
フシグロセンノウ:
明るい落葉広葉樹林や林縁に生育する多年草。茎は直立し、高さは50~80cmになり、茎の節が黒褐色になります。 また茎の上部は分枝し、分枝した茎に朱赤色の 5 弁花をつけます。葉は卵形~長楕円状披針形、長さ5~14cm、幅2.5~5cmになり、茎に対生しています。
花期は7~10月、分布は本州から九州。
なお、フシグロセンノウは古くから、ままごとで花びらを濡らし4枚重ねてお膳にして遊ぶので、オゼンバナ(お膳花)とも言って親しまれていたそうです。そのような”ままごと”の経験がなくて知りませんでした。
もっとも現在は残念ながらそれほど身近に多くは見かけられないようですが・・・
明るい草地にはピンクの花をつけたヌスビトハギが、秋の気配を漂わせていました。
ヌスビトハギ:
平地から山地の草地や道端、林縁などに生える多年草。ハギに似た小さな花をたくさん付け、秋を感じさせてくれます。
3出複葉は互生し、卵形で先は尖り、縁は全縁、頂小葉は側小葉より大きくなります。秋に実る節果の表面にはカギ状の毛が密生していて衣服にくっつく,“ひっつき虫”になります。
くっつくと、なかなか取れません。
花期は7~9月。分布は日本各地。
コオニユリが湿原に咲き残っていました。時期的にはもう終わりのようでした。
コオニユリ:
湿原の周辺地域や湿った草原、山地に生育する多年生草本。夏に美しいオレンジ色の花を咲かせます。
オニユリによく似ていますが、湿地の周辺に生育することと、ムカゴを作らない点、また茎に顕著な毛がないことなどで区別されます。
花期は7~8月、分布は日本各地。
ミソハギが湿原に群生していました。一角が紅紫色に見えました。
その花の蜜を求めてオオスカシバが飛んでいました。
ミソハギは湿原や田の畦、用水路の縁などに普通に見られる多年草で、茎はまっすぐに立ち、断面は四角、株元は少し木質化し、細い地下茎を伸ばして群生します。
葉は長さ数センチで細長く、対生で交互に直角の方向に出ます。お盆のころ先端部の葉腋に紅紫色の小さな6弁花を多数つけます。
花期は夏。分布は日本各地。
オオスカシバ:
紅紫の花の間をホバリングしながら次々と忙しく移動して吸蜜していたのはオオスカシバです。
オオスカシバは翅が透明なガで、夏の日中によく活動します。成虫の前翅長は3cmほど。体の背中側は黄緑色で、腹側は白色。腹部の中ほどに赤い横帯模様があり、その前後に黒い帯模様もあります。また、腹部先端の左右には黒い毛の束があります。
様々な花を訪れ、ホバリングしながら蜜を吸います。ただしオオスカシバの口吻は2cmほどで、それ以上深い構造をもつ花からは蜜を吸うことができません。
出現時期は年に1~2回、夏。分布は本州以南。
ヒメギス
湿原に生えた葦に止まっていました。後肢が゙1本欠損していました。
ヒメギスは水辺の草原などでジーと弱い声で鳴きます。体色は黒褐色で背面は鮮緑色(褐色の個体もいます)。前胸の側面後ろは白線状になっています。腹面は黒色です。
分布:北海道中部以南・本州・四国・九州、体長:22~25mm、出現時期:6~8月。
(続く)
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