ユウガギク、ウスゲタマブキ、ナギナタコウジュ、ヤマハッカ、ムラサキエノコロ、エノコログサ
9月下旬、標高約1500mほどの林道沿い林縁に咲いていた野草です。毎シーズン繰り返しで新鮮みはありませんが、気まぐれに撮ったものの記録としました。
ユウガギク:
同じ地域にヨメナ(カントウヨメナ)、ノコンギク、シラヤマギク等、ノギクの仲間が咲いていました。花色や下葉の葉の切れ込みが大きいことなどからユウガギクとしました。
ユウガギク(柚香菊):キク科シオン属(旧:ヨメナ属)
山地の湿った草原や道端に生える多年草です。ユズに似た香りを持っています。草丈は約50cm以上で、上方で分岐し、斜めに大きく張り出します。
頭花は径2~3cmで、白色にわずかに淡い紫色を帯び,散房状に付きます。葉は互生し、やや薄く狭い長楕円形で、羽状に深く切れ込むのが特徴です。
花期は7~10月、分布は本州近畿以北。
ウスゲタマブキ:
草地に生えていましたが、もう時期が遅かったのか草丈も低くて花付きも貧弱な株でした。花の様子と葉の形状からウスゲタマブキとしました。
ウスゲタマブキ(薄毛玉蕗):キク科、コウモリソウ属
山地の木陰などに生える高さ50~140cmの多年草。よく似た植物がありますが、頭花は狭い円錐花序で、3~5個の筒状花からなり、花冠は5裂し反り返ります。
花色は黄色から次第に褐色を帯びること、また葉は長柄があり、長さ10~15cmの丸みのある三角形で、基部は心形、裏面に薄くクモ毛がある、などの特徴から、他の仲間と識別できます。
花期は8~10月、分布は本州、四国、九州。
ナギナタコウジュ:
林縁草地に群落を作っていました。全草に良い香りがあります。
ナギナタコウジュ:シソ科
山野の林縁、道端などに生える一年草。長く伸びた花穂の片一方だけに花を付けることから薙刀の名前があり、また香需とは中国の薬草で,香りが似ているため。
全体に軟毛があり強い香りがあります。茎は4角形で分岐し、高さ30~60cm。枝先に大きな苞葉に抱かれた花穂を出し、淡紫色の小型の唇形花を1方向に偏って咲かせます。
花期は9~10月、分布は日本各地。
ヤマハッカ:
こちらも、ナギナタコウジュと同じ草地に群生していました。ハッカの名前ですが、匂いはありません。
ヤマハッカ:シソ科
山野の林縁に生える多年草です。ハッカの名が付いていますが、葉をちぎってもんでみてもハッカのにおいはありません。
唇形花の下唇が細く尖る感じで、花の顔は“ネズミ顔”です。また4裂した上唇の真ん中に紫色の斑紋があるのが特徴です。
なお余談ながら、同属の中では草姿がよく似ているヒキオコシは、その葉が、重病人に呑ませると起き上がるという伝説(ヒキオコシの名の由来)ほど苦く、また唇形花の下唇は尖らず、花のおしべが突き出しているのが特徴から区別できます。
花期は9~10月、分布は日本各地。
ムラサキエノコロとエノコログサ:
いずれも平地でも普通に見られますが、山地で見たものは特別に赤紫色が濃かったように感じたので、わざわざ撮ってみたものです。下は普通のエノコログサです。
ムラサキエノコロ:イネ科
平地や山地の道ばた等に生える一年草。「エノコ」は子犬、「ロ」は尾がなまったものともいわれ、花穂を子犬の尾にたとえて付けられた名前。”ネコジャラシ”と言うより”子犬じゃらし”"の方が良いのかも。
花穂が緑のエノコログサが一般的ですが、赤紫色のムラサキエノコロ、また黄金色のキンエノコロなども普通に見かけます。
花期は8~10月、分布は日本各地。
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