独鈷山(とっこさん)トレッキング
10月中旬、長野県での所用を済ませた後日、そのついでに、天気が良さそうだったので、かねてから、わざわざ行くのは腰が重いけれど、機会があれば行ってみたいなと思っていた独鈷山に行ってきました。
独鈷山(とっこさん/どっこざん)(1,266m)は、信州100名山の一つで、弘法大師が「独鈷」という仏具を山頂に埋めた伝説の山として、また切り立った岩が屹立している奇勝の里山として人気があります。
登山ルートは、地元自治体の人々の手により整備されていて、山頂まで1時間~2時間で登れるトレッキングコースが四つあります。また山頂では360度の展望を満喫できます。
今回、初めてですが、”独鈷山宮沢コース”を往復してきました。(写真(1)、以下番号のみ)
254号線を鹿教湯温泉方面に向かって走り「虚空蔵堂」を越えてしばらくで、右手に独鈷山の岩峰群(2)が見えてきます。
その中で一番高いとんがりピークが独鈷山(3)です。そして間もなく、道路右に「独鈷山登山口」の大きな案内板(4)が出てきます。(なお、すぐその先を左折して1.6kmほどで霊泉寺温泉があり、下山後に立ち寄り、汗を流して帰りました。)
およそ2kmで駐車場入り口(5)に着きました。駐車場には仮設のトイレがありました。
なお、このコースには道標として、登山道沿いに小さな祠にまつられた十二支(子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥)が、丁石のように配置されています。
登山道入り口を過ぎてしばらくで「子」、そして駐車場入り口が「丑」、稜線近くに「戌」、そして独鈷山頂上が「亥」、でした。
【丁石とは一丁(約109㍍)ごとに設置された里程石(丁目石・丁標石・行程石とも言う)で、歩いて、来た距離や目的地までの距離を示す標石のことです。】
なお、駐車場から先の未舗装道(6)は、さらに300mほど(先まで)車が入れて、そこに3台位駐車出来そうなスペースがありましたが、9月の台風で傷んだらしく、普通車では無理に乗り入れない方が良さそうでした。
身支度を調えて、7時40分歩き始め。トレッキングコースに入るとほどなく「寅」の祠(7)があり,そこを過ぎると木組みの鳥居「山の神」があります。(鳥居をくぐると10mほどのところに小さな祠がありましたが、帰りにお参りしてきました。)
鳥居の前の沢(8) を渡り、杉林を緩やかに登って行きます。登山道沿いに沢が流れていて、そのせせらぎを聞きながら行くと「巳」(9)です。
要所には土留め階段(10)があったりロープ等も貼られていて、安全で歩きやすく整備されていました。
涸沢(11を)渡りしばらくで、沢筋から離れて傾斜の急なカラマツ、クヌギやコナラの雑木の斜面(12)、(13)をジグザグに登るようになります。
“滑落注意”の案内板が所々にあります。落ち葉が堆積するようになれば、確かに、特に下りは滑りやすく、谷筋に近い場所では注意が必要ですが、この時期はまださほどの問題はありませんでした。
ひとがんばりで、「戌」(14)。ここまで来るとすぐ上に稜線が見え、わずかな登りで沢山湖からの登山道との合流点になり、「頂上まであと3分」の標識がある稜線上(15)に到達すると、頂上は目前です。
頂上到着9時30分。地元の人なら休まずに60分で、またコース標準時間は90分(休憩時間含まず)で頂上、ということでしたが、ぶらぶら時間込みで所要時間は110分を費やしていました。
頂上(16)、(17)は岩陵のてっぺん、という割には長細い平面ですが意外に広く感じました。
頂上(18-1)には「亥」(18-2)、小さな祠、そして4隅が欠けた二等三角点の標石(18-3)が並んでいます。「大切にしましょう三角点;国土地理院」の標柱が添えられていました。
頂上の崖縁には思いがけず野菊の花が咲いていて、ニシキギの紅葉も鮮やか(19)で、またススキ、ワレモコウなどもありました。
遠景は方角によってはやや霞んでいました(20)が、
鉄塔の建ち並ぶ美ヶ原方面(21)、遠くには、槍、穂高の北アルプス連峰(22)など、360度の展望を楽しむことができました。
のんびり時間つぶししてから10時5分下山することに。急傾斜地では滑らないように気をつけながらゆっくり下ります。
時々気まぐれに写真など撮りながら登山道入り口駐車場(23)着11時20分。下りの所要時間は75分でした。やはり下りは楽です。
振り返ると樹間に三角頭の独鈷山頂(24)がちょこんと見えました。
帰りに霊泉寺温泉公衆浴場(100円です!)に立ち寄り、汗を流しました。100円のとおり、シンプルな温泉浴場でした。
懐かしい赤いポストの向こうの開け放しドアの入り口が男湯、その奥のもう一つの開け放しドアが女湯の入り口です。
正午過ぎ、途中でおそば屋さんによって信州蕎麦を食べてから、上信越道、東北道を走り帰宅しました。
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コメント
”専門家”のおっしゃるとおり、蓼科、浅間方面です。
霊泉寺温泉のおばあさんの話では,昔は小学生の遠足登山は独鈷山(どっこ、と濁るそうです)に決まっていたのが,上田市と合併してから,違う山に行くようになってしまった,と残念そうでした。村落の里山として、いまでもこの時期、キノコがたくさん採れるキノコ山して,地元の人は大事にされているようです。余談ながら今年は松茸が不作だったそうですが、キノコづくしの手料理は美味しかったです。
姥捨て、爺捨ては間もなくでしょうか。
投稿: クロメダカ | 2011年10月24日 (月) 12時51分
上田平のあたりを車で走っていると、小ぶりながら特異な岩稜の独鈷山が見えてきますね。地元の人でもない限り、登る人は稀ともいわれますが、かって私も登った事があります。同じ秋とはいえ11月上旬であり、景色や、植物も、今回とは少し深まった季節の姿を見せていました。クロメダカさんの写真を眺めながら再び登ったような気分になっています。
ところで、写真(19)・(20)で、主役の紅葉やススキの背景になっている山ですが・・・蓼科山と浅間山でしょうか?
今時100円の霊泉寺温泉公衆浴場・・・かって思わぬ暖かいもてなしを受けられたとかいう、古きよき日本の温泉でしょうか?
お元気で車を走らせておられるようですので、このあたりを通られることがありましたら車坂峠・地蔵峠あたりから稜線に登ると、独鈷山以上の展望が得られます。
展望よりも、楽なところとすれば、姥捨山がありますが・・・ブラックジョークのようですので・・・。
投稿: ハクナマタタ | 2011年10月24日 (月) 11時35分