カナダ・イエローナイフ オーロラ紀行(2) オーロラ鑑賞
【前置き】
オーロラ撮影:
はじめに、オーロラビレッジ所属のプロカメラマン《オーロラを背景に記念写真撮影や、オーロラ出現日毎のベストショットをCD-ROMに焼いてビレッジ内ギフトショップで販売などのサービス担当》の撮影アドバイス・メモです。
カメラ:
オーロラという、「暗い夜空に、動きのある、(日中の1/100のレベルの)淡い光」の被写体をプロ並みの高画質で撮影できるカメラというとやはり、結論は「デジイチ」
デジタル一眼レフは撮影結果を直ちに確認できて、撮影条件の設定変更がすぐに出来るので、ベストショットが得やすいが、極寒環境下では動作不全の可能性という弱点もある。
極北の極寒条件下で最も信頼できるカメラというと、機械式シャッター(電池なしでもバルブ撮影が出来る一眼レフ!
もちろん「コンデジ」でも、一定の最低条件をクリヤー出来るなら撮影は可能。ただし画質は問えないこと。そうでないコンデジでは写らないことも。
オーロラ撮影の要件:
① 撮影のためには最低十秒程度の露出が必要になるので、長時間露出(バルブ(B)撮影が出来るカメラであること。
② 撮影環境は氷点下20度以下になり、カメラ、電池など、メーカーの動作保証外! 消費電力の多いデジカメは電池が激しく消耗するので予備電池は絶対不可欠。
なおカメラ本体の急激な温度変化は絶対に避けること。カメラ内部結露などの原因で電子系に障害が発生してカメラそのものが壊れることがある。
③ 三脚は必須で、数十秒カメラを安定させる性能のあるしっかりしたもの。なお外気で冷やされた三脚は素手で触ると事故になるので、必ず手袋で。あらかじめ三脚に布やウレタンテープを巻いておくと良い。
④ レリーズ:バルブ撮影に必要。レリーズも極寒のため動作不良になることも。
⑤ その他:レンズの明るさはf1.4以上(2.0までなら何とか)。画角は20mm~28mmの広角レンズで。全天に広がるオーロラ出現の場合は魚眼レンズがあれば便利。
焦点距離は∞に設定で。(オートフォーカスレンズでは要注意。)
動きの激しいオーロラの場合は、十秒を越える露出では当然その間に”動いたところが塗りつぶされた”画像になる。動きを止めた画像を撮るならISO感度を3200まで上げれば1~2秒でも撮影できるが、粒子が粗く、画質は不十分なものになることも。)
非力な“コンデジ”しか持たないで、何とか写ればそれで十分、という当方には、強い味方が。
オーロラビレッジのプロカメラマンが撮影したベストショットを購入する、という手があります。同じものを自分の目で見ていたことに間違いありませんから。
(観察日のベストショット《約6MB/JPEGイメージ》三枚を、CD-ROMに焼いたもので20ドルでした。)
【観察日4日間の記録】:
以下の画像は、持参したコンデジ3台(「長秒撮影15秒機能」のあるもの2台と、「バルブ(B) 8分まで動作、ただしISO64限定」機能の1台)によるものです。
撮影できた画像には、カメラの機種間でかなりの差異がありました。(以下、画像はクリックで拡大します。)
同日、プロカメラマン撮影ベストショット3枚の画像。
肉眼ではこれほど鮮やかではありません。”人とデジカメの眼”の性能差によるものです。
am3:00ホテル帰着。
2012.1.21:
終日曇りで、降雪がやまず。昼食後、小雪の舞う中、イエローナイフの街歩きに出かけ、夕食後、21:00オーロラビレッジへ。ホテルに帰着した翌午前3時までの間にオーロラは全く見られませんでした。
その間はバナナ釘打ち、濡れタオルまわし、シャボン玉凍結などの極寒体験で待ち時間つぶしも。
初日(20日)、オーロラビレッジ滞在時間中途切れることなく、いきなりレベル4~5というすばらしいオーロラを鑑賞できてしまったので、何だ、こんなに簡単に見えるのか、と思ってしまったのですが、この日に、全く見えないことがある、ということも思い知らされたものです。(am3:00ホテル帰着)
2012.1.22:
昼食後、日中(12:30~16:30)オーロラビレッジでオプションの犬ぞり体験、滑り台etcを楽しんだ後、市内に戻り夕食。夜21:00オーロラビレッジへ。
貸し切りのオーロラ観賞場所ファーレイク(氷結した湖)に犬ぞりで向かい、着後、氷上でのオーロラ鑑賞、撮影。
この日は初日同様に、レベル4~5というオーロラに恵まれました。
ファーレイクから再び犬ぞりでオーロラビレッジに戻り、ビレッジ内で一番の高台”バッファローの丘"に陣取って、引き続きオーロラ鑑賞。カーテンのように揺れうごき、渦を巻き、と刻々変化する華麗な光のショーに魅せられました。
正直なところ、写真などどうでも良くなって、後半は途中からカメラも収納してしまいました。
濃い黄緑に写った画像はバルブで180秒(3分)の長時間露出(但しISO64)のもので、原画ではオーロラの向こうに星(座)が同心円を描いて動き、○ではなく、短い棒状になって写っていました。
その分、オーロラも動いたところが塗りつぶしになったはずです。ともかく写れば良い,というレベルでは十分満足でした。(am3:00ホテル帰着)
2012.1.23:
朝は晴れの好天でしたが、オーロラビレッジ到着後は曇り時間が長く、時折のぞく晴れ間からオーロラが見えるという程度。
実はこの日、初めて、デジカメ以外に持参したブローニーフィルム(6×6版)ISO400を装填したクラシックカメラ【昔懐かしい蛇腹式のすべてKKD(勘と経験と度胸)式】を持ち出して、星でも写るかな、と遊んでみました。
氷点下20°以下の環境下で、クラッシックカメラを操作するのは大変でした。
素手でないと操作できないので、凍傷の危険が伴います。しばらくさわって遊んでから、結果はどうなっているかは、帰国後のお楽しみと言うことで切り上げました。
その後も観察条件は芳しくなかったのですが、午前2時頃から帰り時間まぎわになって、突然頭上が晴れ、鮮やかなオーロラが出現。
緑の光のカーテンが時に激しく揺らめく様を、首が痛くなるのに耐えながら鑑賞。もはや写真は撮りませんでした。(am3:00ホテル帰着)
余談ですが、オーロラビレッジで、20、21(オーロラの写真はなし)、22の3日間、オーロラ観測を記録した写真をスライドショーに編集したDVDが23日夜に販売されましたので、記念に購入しました。(25ドル)
ともあれ、こんなに簡単に観察できたのは、”妙なる音楽と、きらめく光に迎えられた”、と語られる”臨死体験”の先取りだったのでしょうか・・・?
(続く)
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