オオバンとヌートリア
先日のこと、寒気が厳しく、日陰の水面に張った氷が何時までも残っている用水路に、留鳥のオオバンが一羽、如才なさそうに浮かんでいました。
と、そこへ突然姿を見せたのがヌートリアです。これまで見かけた個体より少し体色が黒く見えて、遠目には巨大なドブネズミ、という印象です。
この水域に住み着いているようで、これまでも通年その姿を目撃していますが、さすがに冬の季節には目立ちません。
人目を避けるように素早く泳いで、枯れたヨシの残る岸辺に上がると、
ヨシの根元をかみ切っているバリバリという音が聞こえ、茂みが揺れるのがわかります。
そして噛み切った長いヨシを加えて水中に戻り、びっくりしたようなオオバンの目の前を通り過ぎると、
その先で潜水して、岸辺に開けた横穴から巣の中に運び込んだようです。
ナンダ、あいつは? オオバンもびっくり。
しばらくするとまた水中から浮かび上がり、同じ行動を繰り返していました。
ヌートリアは水辺を好み、川岸や中州などに深くて入り組んだ横穴を掘って巣をつくり、半水生的な水辺での生活に適応しています。
そして決まった繁殖期はなく、年に2~3回程度出産し、また時には農作物に被害を及ぼす害獣にもなるという丈夫で、困った外来生物です。でも好きでやってきたわけではないのですが。
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コメント
ヌートリアの分布はきわめて限定的だそうで、埼玉県に多いのはまさに毛皮を取る目的で導入したものが逃げ出したり、”商売をもうやめた”という時の処理の不手際などが原因らしいです。
どんな不手際でも、想定外、とあっさり済ませてしまう人間様が諸悪の根源、ですね。
投稿: クロメダカ | 2012年2月 9日 (木) 21時17分
ヌートリア実際に出会ったことありませんが、毛皮目的で日本に連れてこられたらしいですね。
増えたといっても全て人間のやったことですね。
アメリカザリガニやブラックバスも悪者になっていますが
考えてみれば一番の悪は人なんですよね・・・・
投稿: kin | 2012年2月 9日 (木) 19時45分