サイカチ(冬芽と葉痕/維管束痕)
太陽が真東から出て真西に沈む春分の日。ジンチョウゲが数輪開きました。
さて、初登場の「サイカチ」です。
あまりにも“すさまじい”大きな刺で武装した姿に、普段は近寄るのも敬遠する、道端に自生した、まださほど大きくない木です。
裸になった季節にはそのトゲトゲぶりが余計に際立ちます。刺されないように注意しながら、初めて冬芽を覗いてみました。
冬芽は小さく、下半分は葉痕の中に隠れる半隠芽タイプ、葉痕は隆起したハート型で、維管束痕は3個です。
やはりあまり親近感の湧いてこない、鋭い刺の持ち主の風貌ですね。
サイカチ(マメ科サイカチ属):
落葉高木。皀莢は漢名。原野の水辺に生えることが多く、栽培されることもありました。
幹には分岐する大型の分岐刺があり、枝にも鋭い刺があります。
この刺は枝が変化したもの。何のためにこのような”武装”をしているのでしょうか。
素手では絶対に触れられません。
葉は1~2回偶数羽状複葉で互生します。小葉の長さは2~5cmで全縁。
5~6月、葉腋に出る総状花序に黄緑色の小さな4弁花がつきます。
雌雄同株で、花は(同じ株に)雄花、雌花と両性花の3種類がつく雑居性。
雄花には雌蕊がなく、雌花には雄蕊が不完全。
10~11月に実る豆果は、長さ20~30cmもあり、日本のものでは最大級。
ねじれて紫褐色に熟す鞘には泡立ち成分サポニンが含まれていて、昔は衣類の洗濯に使われたことがあったそうです。
(ちなみに、エゴノキの果皮にもエゴサポニンが含まれ、やはり石けんの代用にされたことがあります。いろいろな利用があったのですね。)
分布は本州、四国、九州。
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