モニターツアー(岩手県久慈市)(1)
未明に、あの巨大地震の余震とみられる茨城県北部を震源とする地震で揺り起こされました。明日で1年になります。
今も、多くの善意や支援努力の甲斐なく、被災地の仮設住宅での孤独死や、また都市部でも声を上げることすらなく餓死という痛ましい出来事を知るにつけ、絆という言葉がむなしく響きます。
被災地の復旧/復興も少しずつ進んでいるようですが、実情を知って、出来ることをしたいと思う心は誰も同じです。そんな折、モニターツアーに参加する機会が出来ましたので、行ってきました。
「モニターツアー」について:
“国交省観光庁により『国内旅行振興キャンペーンと連動したモニターツアーの造成による国内旅行の需要創出および新たな旅行の推進に関する調査』の一環として行われる『東日本大震災等の影響を受けた地域への旅行需要の創出』、という長文テーマを掲げたツアーです。
モニターツアーの実施を通じて、引き続き低迷している東日本大震災等2011年の災害の影響を受けた東北・東日本の一部地域及び豪雨災害を受けた地域への、新たな旅行需要の拡大を図ることが目的です。
(そして、ツアー参加者はアンケート調査に『必ず』協力する必要があり、アンケート回答は上記目的のために使用されます。)
モニターツアーは3月中旬頃までの予定として、これまでも地域ごとに実施されていましたが、今回はじめて参加したツアー地域は岩手県久慈市で、『久慈の魅力体験モニターツアー2日間』です。
そして参加者は今回訪問した地域の『応援団』になって、そのツアー体験や情報をブログ、ツィッター、フェイスブックなどでも是非発信してください、との要望もありました。
今回の旅程:
1日目:
JRで新幹線二戸駅→(以降はバスで移動)二戸で伝統「雑穀料理」の昼食と「郷土の民話語り部」による民話劇、民話を聞く)→久慈琥珀博物館(琥珀の勾玉アクセサリー作り体験も)→久慈(泊)(夕食は北三陸磯料理)
2日目:
久慈→田野畑村へ。北山崎展望台(海面から200mほどもある断崖絶壁の上にあるので、津波による物理的な被害はない)以降の訪問場所は「北山崎ネイチャーガイド・津波体験語り部ガイド」同行で、当時の様子を聞きながら先々の現地でバスを下りて歩きます。)
→津波被害の「羅賀漁港」及び「ホテル羅賀荘」を車窓から目の当たりにしながら→「カンパネルラ田野畑駅(駅舎そのものは難を逃れた)周辺地区」で被災地を目前に状況の説明を伺い
→次に「平井賀漁港地区」の被災状況をガイドさんと共に歩いて確認し
→さらに移動して「島越漁港周辺」のガイドであらためて津波の破壊力を認識。復興の現状も確認。
ここでガイドさんとお別れし→「道の駅たのはた(海抜約120m)」(→近くに羅賀、島越集落の被災者の方々の仮設住宅。)を経て→久慈市内に戻り、通り抜けて
→平庭高原の麓、久慈市山形町(旧山形村)で郷土料理『まめぶ』づくり体験と「まめぶ汁」などの昼食。→それから日本一の白樺林が広がる「平庭高原」の雪原を通過し、(今年は雪が多くて予定されていた散策は無理でした。)→「くずまきワイナリー立ち寄り」
→日没せまる盛岡市内までバス。夕食を済ませて盛岡駅から新幹線乗車。(22:30帰宅)
今回の旅で、以前に三陸海岸沿いを旅した時には触れることも知ることもなかった新しい地域の魅力発見がありました。
それにもまして、激甚災害にひるむことなく、努めて明るく、懸命に復興に向けてがんばっている被災地の現状を自分の目で確かめ、理解が深まりました。
また案内していただいた地元の震災復興ガイド、語り部の方々の言葉の端々に、並々ならない郷土愛がにじみ出ていることにもあらためて感銘を受けました。
そうしてはっきりわかったことは、「受け入れが可能になっている現地に旅行すること」が、一日も早い復興を応援することになる、ということです。
機会をつくって、是非、そのような現地にお出かけ下さい。
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往路東北新幹線の車窓から眺めた風景です。天候は小雨交じりの曇り空から、曇りへ。 (上)仙台を過ぎた辺り。(中)盛岡駅近くで進行左車窓に眺められる岩手山(2,038m)、そして(下)盛岡駅を過ぎてすぐ見えた秋田駒ヶ岳(1,637m)です。
2日目は好天に恵まれました。帰路、ガイドさんとは「道の駅たのはた」でお別れし、白樺林の平庭高原、平庭峠(743m)を経て「くずまきワイナリーに立ち寄り。
バスが盛岡市域に入ると、石川啄木が故郷の山と呼んだ旧渋民村の姫神山(1,124m)の端正な山容が眺められました。
やがて日没にシルエットの岩手山を見て、日暮れて盛岡駅到着です。
(続く)
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