カッコソウ/鳴神山(2012/5)
カッコソウ(勝紅草、サクラソウ科):
国内で唯一の自生地とされる鳴神山で、地元の人達が大切に保護管理されている移植地に咲くカッコソウの写真を撮りに行ってきました。
2012.5.13時点の記録です。(画像はクリックで拡大します)
鳴神山は、群馬県桐生市北部の梅田町と川内町にまたがる、古くから山岳信仰の対象とされた山で、山頂部は露岩の双耳峰です。
西峰が仁田山岳(979.7m)、東峰が桐生嶽(981.5m)と呼ばれていて、川内側では仁田山岳を、梅田側では桐生岳が、それぞれ祀られていて、山頂肩には雷神嶽神社があります。
国土地理院の地図で標高979.7mは仁田山岳の標高で、桐生岳の981.5m(桐生市基準点)が最高点ですが、地図上は仁田山岳にあるはずの三角点は確認できず、鳴神山の三角点は行方不明ということです。
主な登山道は梅田側と川内側からそれぞれ2経路ずつですが、さらに北側の座間峠と南側の吾妻山方面からの縦走路を含めると6経路になります。
今回はカッコソウの写真撮りが目的でしたので、カッコソウ移植地2カ所を尋ねることにして、大滝口から雷神嶽神社下の移植地へ、そして鳴神山を過ぎ、椚田(峠)近くにある保護地までのコースを往復してきました。
なお大滝口(ハイキングコース)入り口脇にある駐車場は、樹徳高校大滝山荘の私有地で、駐車禁止になっています。
付近の道路幅は狭いため、大滝登山口手前か、その先で、待避用に少し膨らんだ路肩に止めるしかありません。やむなく登山口から少し手前に戻ったところで路肩に駐車しました。
大滝口は鳴神山を代表する登山道だったそうですが、作業道を付けるため、旧の登山道は壊されて工事が進んでいましたが、その作業道も最近の大雨で抉られて荒れていて、安全上は特別問題ありませんが、大きな石がごろごろした荒れ沢のようになっていて大変歩きにくくなっていました。
大滝登山口の大鳥居をくぐり、広い作業道を歩き出すとしばらくで、大滝(不動滝)が見えてきます。落差10mほどだそうですが、立ち寄らず通り過ぎます。
整備作業中で、林道のなごりを残す広いガレ道と、途中に残るコンクリート道を過ぎ、さらに進むと間もなくで、しめ縄が張られ不動様が祀られた水場に出ます。数日前まで悪天候だったためでしょうか、かなりの水が流れていました。
ここまで登ると約六合目だそうで、さらに沢を登り詰めると15分程で斜面稜線と案内板が見え、最初のお目当てのカッコソウ移植地に着きました。
しかし、見渡すと何も無い!まさか、と張り巡らされた保護ロープのまわりをたどりながら登っていくと、ありました。
遠目にはサクラソウにそっくりのピンクの花をつけた株が2株。良かった!と、高倍率ズームのコンデジで光の当たり具合を気にしながら何とか写真に。撮り終えてから少し離れたところにも一株。こちらは道のすぐ傍でしたが、まだつぼみ。この時点では、ずいぶん少ないな、という印象でした。
あと、もう一カ所、椚田(峠)近くの保護地に行けばたくさん見られるはず、と気楽なぶらぶら登山に向かいます。
移植地斜面からすぐに、川内駒形登山道との合流点、“肩の広場”、そして目前の雷神嶽神社に出ます。
鳥居が二つ並んであり、正面(東側)の鳥居をくぐって登ると東峰の桐生嶽に、左側(西側)の鳥居をくぐって登ると西峰の仁田山岳への標識があります。
今回は、左側の鳥居をくぐり、(展望はない)仁田山岳へ。途中で“眺望の岩”があり、「赤城山方面眺望」、という小さな標識が木にくくりつけられていたので、そこで写真1枚(大間々町方面)を撮り、そのまま前進。
しかしその前後で桐生嶽への分岐点にも気づくことなく、特に仁田山岳山頂標識はもちろん、ピークらしい岩も祠も気がつかないまま下り坂になってしまいました。
どうやら素通りしたようですがそのまま下り、“仁田山岳あたり”から10分ほどの平坦な尾根筋に、“裏の肩”方面という消えかかった標識がありました。そこでザックに入れっぱなしにしていたGPSで現在位置確認、小休止、軽く中間食。
その後5分ほどで椚田(裏の肩)鞍部に着きました。そのまま直進すれば座間峠へ、西に下ると赤芝、東に下るとコツナギ橋への分岐点です。
そして、コツナギ橋側に、「カッコソウ北保護地3分下る」の小さな標識がありました。 2つめの(期待の)カッコソウ移植地です。
杉林斜面を下るとほどなく、期待通りの美しいカッコソウに出会いました。
保護活動をされている皆さんのおかげで、杉林の林床に咲くたくさんのピンクの花を”貸し切り”で見ることが出来たのです。 (続く)
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