コアジサシ
田植えが始まった4月末頃から、当地ではこれまであまりなかったことですが、夏鳥のコアジサシが飛来するようになりました。
数は多くありませんが、小さな群れで、水田地帯の上空を飛び回ったり、田植えが終わった水田のコンクリート畦に降りて、並んで立ったり座ったりして休憩する姿を散見していました。
5月中は、釣り人が釣り糸を垂れている調節池の上空を飛び回って、小魚の群れを見つけると急降下、小魚を捕獲しているのを見ることが多かったものです。
6月になると水辺に近い草原に降りて、短い雑草しか生えていない礫地の地面で休む姿がしばしば見られるようになりました。
これでも立っている短足のコアジサシ。
やがてつがいになり、小さなコロニーを形成して、今頃は地表に巣作りをして繁殖期になっているようです。
それで一つ困ったことがあります。もともと”人間様”のために遊歩道などの整備が行われた草原なのに、人が舗装遊歩道を歩いても”モビング”をしてくることです。
(→猛禽類など外敵が現れると、小さい鳥が群れを作ってつきまとい、それを追い払う行動(擬攻撃)で、追い払うのが目的)
コアジサシは、営巣ゾーンに人や犬、またカラスが現れると、親鳥たちが集まってきて、相手に突っかかるように、立ち去るまで執拗に飛び回ります。
時には「キリリッ、キリッ」と鋭く鳴きながら人のすぐ近くまで来て、旋回する瞬間に白い液状の糞をかけていきます。まさに「無差別糞爆弾攻撃」です。
知らないで通りかかった散歩の人は脅されてしまいます。
糞爆弾の洗礼は受けたくありませんから、お互いの幸せのために、子育ても無事に早くお終いになって、秋には南に帰ってほしいものです。
コアジサシ(小鰺刺)(チドリ目カモメ科):
夏鳥として本州以南に渡来。全長は28cm、ツグミやヒヨドリと同じくらいの大きさで、アジサシよりも小さい。
翼開長は約53cmで、翼と尾羽がツバメのように細くとがっていて、翼と尾が非常に長く見えます。嘴もまっすぐのびています。
上空を旋回しながら、時には水面上でホバリングして、水中の魚群めがけてダイビングし小魚を捕らえています。
海岸、埋め立て地、河原の砂地などで繁殖しますが、適切な繁殖環境が減少して問題になっています。環境省のレッドデータブックで絶滅危惧II類(VU)に指定されています。(平成18年12月22日公表、鳥類,:コアジサシ)
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