ムカシヤンマ(昔蜻蜒)
ムカシヤンマ(ムカシヤンマ科):
よく保全された里山林縁の開けた沢筋で、大型のトンボが飛んでいるのを見かけました。一瞬オニヤンマかと思ったのですが、”追っかけ”をしました。
少し先の階段の横木に、垂直にぶら下がるようにとまったところを望遠で撮影。(画像はクリックで拡大します)
近寄ろうとしたらすぐに飛び立ち、今度は斜面の柵にとまりました。回り込んで何とか撮れたあと、飛び去りました。
後で写真を確認したところ、複眼の色や腹部の紋様など様子が違い、これまで撮ったことのない「ムカシヤンマ」と分かりました。(撮影は6月中旬)
ムカシヤンマ:
日本固有種のトンボで1属1種のムカシヤンマ。がっちりとした大型のトンボです。名前のように他のトンボと違い、産卵器官は生殖弁ではなく産卵管であり、複眼は接することなく離れている、翅の翅脈、三角室など、原始的な特徴を多く備えたトンボです。
“ヤンマ”の名前のように、ムカシトンボよりも大型で、体長は80 mmくらいになります。遠目にはオニヤンマやサナエトンボのようにも見えますが、オニヤンマとは複眼の色が違い、サナエトンボのように複眼が離れています。
止まる時は、翅を広げたままで木の幹などにぶら下がるような姿勢を取ることが多いようです。
成虫は主に5月初旬頃から6月頃に出現します。幼虫(ヤゴ)は低水温で、きれいな水質の谷筋の湿地や、湧き水の出る崖などにトンネルを掘って生息しています。成虫になるのに約3年かかるといわれています。
分布は東北以南の本州、九州。地域によっては絶滅危惧種になっているようです。
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