ウスバキトンボ(精霊トンボ)、チョウトンボ
●ウスバキトンボ (トンボ科 ハネビロトンボ亜科):
6月下旬くらいから、田んぼ道を歩くと、緑の稲田の上を群れて飛ぶウスバキトンボが大変目立つようになりました。
昔は精霊〈蜻蛉〉(ショウリョウトンボ)と呼んで、旧暦のお盆の頃に群れて飛んでいたものでしたが。
日中は、水辺から離れたところで、あまりはばたくこともなく広い翅で風を捉え、グライダーのように飛び続けて、見ていても草木などに止まることはほとんどありません。
数日かかって、たくさん群れ飛んでいる中で、偶然1匹だけ、ヨシの茎に翅を開いてぶら下がったところが撮れました。体長は5cmほど。
見るからに軽そうで、華奢な体つきです。
本種は寒さに弱く、日本国内では冬期に死滅するため、毎年春に南洋から日本南部・九州、四国地方に群で海を渡ってきた成虫が、晩春~秋までに数回(4~5回/年)の世代交代を繰り返しながら移動/北上を続け、分布をひろげて行きます。
盛夏には、水田、用水路、時には防火水槽や学校のプールなどでも産卵して、羽化まで40日ほどで成長するという繁殖スピードです。
真夏に、全国で群れをなして飛んでいるトンボは、各地で繁殖した個体群なのでしょう。
幼虫(ヤゴ)はミジンコ類、ユスリカ類やハナアブ類 、カゲロウ、カワゲラ、トビケラ類などの幼虫を捕食しています。
成虫は、飛びながら、ユスリカ、アブなどの飛翔性昆虫を捕食するので、なおさら地上に止まることが少ないのでしょう。
出現時期は4~11月 、分布は北海道・本州・四国・九州・沖縄。
●チョウトンボ(トンボ科)
こちらは夏の池端で、ヒラヒラとチョウのように飛んでいるおなじみのトンボです。抽水性植物(ヨシ、マコモ、ガマ、ハス、コウホネ、やオモダカなど、根が水中にあり、茎や葉を水面上に伸ばして生育する植物)などが生えた池や沼等の周辺で見られます。
翅は光を反射してメタリックな青紫~黒色に光り、きれいです。前翅は細長く、後翅は幅広で、腹部は細くて短いので、体長3.7cmほど。
出現期は6~9月。羽化は6月中旬ごろから始まるようです。分布は本州以南。
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