モモスズメ、ウンモンスズメ、ヨツボシノメイガ、ヒトツメカギバ、ツマトビキエダシャク
蝶と蛾、チョウはきれいで、ガは気持ち悪い”と差別的な”ことを言って専門家にお叱りを受けたことがあります。
実際に、チョウのように(きれいに)見えるガもいれば,(気持ちワルイから)ガに決まっていると思い込んだために、正体不明だったチョウもいます。
『ガもチョウも、生物分類学上では特に違いはありません』.というのが、専門家のお答えです。
そんな前置きはさておいて、今回は気持ち悪さも大きさも、”きれいさ”もまちまちの、この夏見かけた「ガ」、ばかりです。
モモスズメ(チョウ目スズメガ科):
里山の公園(写真上2枚)や、自宅の庭木に止まっていたもの(下3枚)です。大きさ(開張)70~90mmのスズメガの仲間です。
前翅に波形模様と小黒点が一つあります。また後翅は薄紅色をしています。
果樹園や雑木林周辺で見られ、市街地の灯火によく飛来して、朝方に灯火の近くの庭木などにじっととまっているのも見かけます。
幼虫は、モモ、ウメ、サクラ、ビワ、リンゴ、ヤマブキなど、いろいろな樹木の葉を食べます。
成虫出現時期は5~8月、分布は北海道、本州、四国、九州。
ウンモンスズメ(雲紋雀)(チョウ目スズメガ科):
6月に街路樹の葉先にぶら下がっているのを見かけましたが、こちらは公園のケヤキ林脇で、植栽のツツジの下葉にぶら下がっていたものです。
隠遁の術で完璧に風景にとけ込んでいて遠くからは分かりません。撮影に邪魔になる傍の枝葉を触っても全く動きませんでした。大きく膨らんだ腹部の様子から♀ではないかと思いました。
成虫の大きさ(開張)は65~80mmで、体と前翅は緑色、後翅は赤色を帯びています。灯火にもよく集まります。
幼虫は公園にも植樹されているニレ科のケヤキ、アキニレの葉を食べます。
成虫出現時期は5~9月、分布は本州、四国、九州。
ヨツボシノメイガ(チョウ目ツトガ科):
公園のツツジ植栽から不意に飛びだして林間をしばらく飛び回ったものがいました。”チョウ”に見えるでしょうか”ガ”でしょうか?やはりガでチョウね。運良く大木の根本付近に貼り付いたので近寄って撮れました。、
大きさ(開張)は33~37 mmで、前翅に3つの白紋と1本の白紋列、後翅に1つの大きな白紋がある(チョウのようにも見える)きれい(か)な?、メイガのなかまです。
ツトガ科のメイガの多くは、林縁下草の葉裏にとまるという共通の性質があり、見つけにくい、また撮りにくいことが多い中型のガです。
成虫出現時期は5~9月、分布は北海道、本州、四国、九州。
ヒトツメカギバ(チョウ目カギバガ科):
低木の葉裏に止まっていました。下から見上げるアングルで、近接フラッシュ撮影になり、少し色飛びしています。薄暗い樹間を飛ぶと白いチョウのように見えました。
大きさ(開張)30~44mm。白色で、前翅に茶褐色の眼状紋があり、前翅の周縁と後翅には灰褐色の細かい斑紋があるカギバガの仲間です。
出現時期は6~10月、分布は北海道、本州、四国、九州。
幼虫の食草(樹)はミズキ類の葉です。(なお、ミズキは公園樹としてもよく植えられています。樹高は10~15m、枝は扇状に四方に広がり、広卵形から楕円形で葉柄がある葉が互生しています。初夏に新枝の散房花序に多数の小さな白色4弁花をつけます。果実は核果、球形で紫黒色になります)
ツマトビキエダシャク(チョウ目シャクガ科エダシャク亜科):
夕刻の公園の植え込みにいました。遠目には、緑葉の半分が枯れている、とは見えませんでしたが、すぐにガとも思わず、別の枯葉が載っているのかと思いながら傍に行くと「ガ」だったのです。
まだ十分明るい夕刻で、葉を揺らしても、裏返しにしても逃げる気配がありませんでした。お出かけ前の休憩中だったのでしょうか。
大きさ(開張)35~45mm。翅は見た目が全体的に紙のように薄い感じで、地色は淡黄色。翅の縁がギザギザしていて、前翅の端にこげ茶色の模様があります。
成虫出現時期は 5~7月、8~9月(年2回発生)で、分布は北海道、本州、四国、九州。
なお、幼虫の食草はクワ科クワ。
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