トックリバチの巣
今日は十五夜。長引いた残暑の尻尾も消えて9月が終わります。やっと、というか、もう、というのか。
天気予報では当地は夕刻から台風17号接近のため荒れ模様になり、中秋の名月鑑賞はあいにくのようです。
(・ちなみに昨年2011年9月12日(月)の中秋の名月の記録はこちらです。)
さて、9月初旬、空き地に大繁殖したオオブタクサが花穂を伸ばし、草丈2m以上になった大株からは黄色い花粉の塊があたりに一帯にボロボロこぼれていました。
そんな中にまだ草丈が1.5m程、花穂はまだ緑色で花粉はまだ出ていない株がありました。
触れないように避けて通り抜けようと横目で見ながら傍に行くと、その赤い茎に白っぽい玉のようなものが2個くっついているのが目にとまりました。
見覚えのあるトックリバチの巣と分かりました。近寄ってみると2つとも入り口は既に閉じられていましたから、中では幼虫の成長が進行中のようでした。
写真だけ撮らしてもらってそのまま退散しましたので、その後の様子は分かりません。
別の日、別の場所で見かけた、多分トックリバチ。道端に自生したハッカに来ていたものです。
トックリバチ(ミカドトックリバチ)は、体長13mm程の大きさで、黒色の体の胸部と腹部に黄色い帯状の模様があり、また胸部に黄色い1対の紋がある(ないものもいるそうですが)ドロバチ科のハチです。
名前が示すように、泥土で徳利(とっくり)の形をした巣を作ります。徳利の天井に卵を1個だけ生み付け、ガの幼虫に”麻酔注射”をして仮死状態にしたものを詰めこみ、いっぱいになったら入り口を泥で固め、ふたをして完成させます。
巣の中で孵化した幼虫はガの幼虫を食べて成長して蛹になり、羽化後に徳利の壁を破って外に出てきます。
なお、似た仲間にキボシトックリバチ(ドロバチ科/スズメバチ科)がいます。腹部第2節背に黄色い円紋が1対あります。巣は両者よく似た形のようですから、実際に羽化してくるハチを確認しないと、どちらのものか分かりません。
成虫出現時期は6~9月。分布は日本各地。
☆トックリバチの巣とハチの誕生の様子はこちらをご覧下さい。