マダラヒメバチ
11月頃から(12月になっても)、昆虫類の姿が少なくなった晴天時、草原の遊歩道に、黒、黄色、そして橙色と配色のきれいな小型のハチ”が目立つようになりました。
“マダラヒメバチです。
ヒメバチは“寄生バチ”の仲間で、毛虫やイモムシなどに卵を1個産み付け、孵化した幼虫は寄生体内で成長して蛹化し、羽化するときに脱出するという生活史をもつハチの一群で、本種もその仲間ですが、たおやかな感じのするハチです。
風の強い日は高く飛ばず、地面を這うように飛んで、時々日溜まりでじっとしています。成虫で越冬しますので、天気の良い日には”起きて”出ているのです。
12月初旬、日当たりでゆっくり日光浴をしていたのをお連れして、底に土と草葉を入れた容器に入れて少し観察してみました。
雨や曇りで寒い日、また晴れた日でも夜間には草葉の下に潜って出てきません。
なお、隠れ家にする葉っぱを取り除くと、冷え込む日でも土の上でじっとしていて、(土中に)潜る様子はありませんでした。フィールドではどうしているのでしょう。
日射しのある日中には12月中旬でも出てきて、盛んに身繕いをする姿が観察できました。
ハネを立てて広げてブーンと震わせ、閉じてから後肢でスリスリ。
少し飛んで場所を変えると羽を広げ、後翅、前翅と順次 後脚でスリスリお手入れ。
次いで触覚、前肢をなめなめ、後肢はこすりあわせ、そして後脚で体をスリスリ。とても熱心に繰り返していました。
またアブラナ科雑草の茎を囓る様子も見られましたが、どうやら水分補給のようで、ちなみに差し出したメイプルシロップを浸ませた綿棒には長い間口をつけていました。
10日間ほど観察後、暖かい日に、もと居た草原に返しました。低く飛んで地面に下りると、すぐに地表の隙間にもぐっていきました。
マダラヒメバチ(ヒメバチ科):
体長14㎜ほどで、初夏に見かける時は動きが速く、少しもじっとしていないのでマジマジと観察できる機会の少ない寄生バチの仲間です。
人は刺しません。体は黒色で小楯板と第3背板の帯は黄色、第2背板は橙赤色。脚は黄色、橙赤色と黒色のまだら模様です。
翅は透明で薄い茶褐色を帯びています。触角は黄褐色で上側は黒っぽくなっています。
アゲハチョウの幼虫に寄生して、(アゲハチョウの)蛹の中から羽化してくるのだそうです。成虫は土に潜って越冬し、土を掘り返したときに偶然見つかることもあるそうです。
分布は日本各地。
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