モンシロチョウ幼虫(アオムシ)、セグロカブラハバチ幼虫、カブラハバチ幼虫
10月中頃から、除草されて裸になった堤防の日当たりの良い斜面に芽生えたセイヨウカラシナが群生して葉を広げはじめていました。
セイヨウカラシナ(アブラナ科)は、元々食用として導入されたものが野生化し、日本各地の堤防や河川敷等に群生して、春先には黄色い「菜の花」を咲かせ春の風物詩となっています。
秋に芽生え、冬の間にも葉を広げて春に花を咲かせる越年性の草本です。
そしてその堤防沿いの遊歩道に、11月末までの晴れた日には、黄緑色の“はらぺこ青虫”(モンシロチョウ幼虫)と、大きさ15mmほどの黒い小さなイモムシがたくさん這い出して踏みつぶされているのをよく見るようになりました。
これまではギシギシの葉を蚕食しているハグロハバチ幼虫の姿はよく見かけたものですが、こちらは今まで観察したことはありませんでした。
黒いイモムシは、写真を拡大してみると、セグロカブラハバチとカブラハバチの幼虫と分かりました。
土を入れた容器に入れておけば蛹になり、来春に羽化した成虫の姿を観察して確認できますが、どうしたものか・・・
●セグロカブラハバチ幼虫(ハバチ科):
アブラナ科の植物((セイヨウ)カラシナ、大根、ナズナ、キャベツ、ブロッコリーなど)を食べて育つ、ハバチの幼虫です。
大きさ15mmほどで全身黒色、さらに黒い斑点模様があります。
よく似た幼虫にカブラハバチ、ニホンカブラハバチなどがいますが、それらには黒色斑点がないことで区別できます。
●カブラハバチ幼虫(ハバチ科):
アブラナ科の植物(ダイコン、ハクサイ、キャベツ、菜花など)を食害する農業害虫です。
大きさは15mmほどの黒い幼虫ですが、黒色斑点はなく、胸腹背面に小瘤もない事で、前2者と区別できます。5~11~12月にかけて3回発生します。
触ると、くるっと丸まり死んだふりをします。幼虫の腹部をよく見ると、総ての腹節に脚があり、これがハバチ類の特徴です。
成熟した幼虫は地面の浅いところに潜って土繭を作って蛹化し、蛹で越冬します。
体色が灰青色で小さめの幼虫も這っていました。若齢の幼虫のようです。
なおついでに、
●ニホンカブラハバチ幼虫(ハバチ科):
今回は幼虫画像がありませんが、カブラハバチ同様に、幼虫はアブラナ科の植物を食草にしています。幼虫は大きさ15mmほどで、黒い色をしています。
そしてカブラハバチ同様、体に黒い斑点はありませんが、胸腹背面に明らかな小瘤(粒々)が並んでいるのが特徴で、カブラハバチ幼虫と区別されます。
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