モロッコへの旅(2013/2)(6日目)エルフードからサハラ砂漠、トドラ渓谷、そしてワルザザートへ
★6日目日程:
エルフード⇔サハラ砂漠(メルズーガ大砂丘)往復→トドラ渓谷→→カスバ街道→ワルザザートまで。
●砂漠の日の出鑑賞:
・早朝5時10分、エルフードから4輪駆動車(もちろん日本車)に分乗し、まだ明けやらぬ砂丘のオフロードを、砂塵を巻いて走る前車の後について揺られながら、約50km先のサハラ砂漠(メルズーガ大砂丘)にあるラクダ基地へ向かいます。所要時間は50分ほど。
荒れた台地を意味する「サハラ」、だから日本語で「サハラ砂漠」というと、”サバク砂漠になってしまうという。
それはともかくサハラ砂漠は世界最大の砂漠で、その面積はアメリカ合衆国に匹敵する約910万平方キロメートルという。
(http://commons.wikimedia.org/wiki/File%3AWorld_largest_deserts.jpg)
到着後、ラクダ基地からラクダに乗り、本日のハイライト”砂漠の日の出”ビューポイントまで向かいます。
ビューポイントに陣取って日の出を待つ間、馬子ならぬ駱駝牽き氏が砂漠の東方を指さしながらいう、向こうがヨルダン、こちらがアルジェリア。そして、この方角には勝手に入っていっては危険、とも。
また、日本人は特別に日の出が好きのようだが、朝日も夕日も同じ太陽ではないか、とテツガク的なお話も。
ポケットからラム酒入りのチョコレートを取り出すと、まわりから手が伸びてあっという間に空っぽに。アレッ、ムスリムはアルコール禁止ではなかったか、そうだ、日本のチョコレートだとしか言わなかったな。
そうこうしているうちに、日頃の行いには無関係に、今日も絶好の天気に恵まれ、ほぼ無風で、砂嵐などの心配は全くない裡に、日の出時刻を迎えました。
黄金の旭光が煌めいたのは7時8分。そして、あっという間に陽は昇り、明るくなります。
あらためて眺めたローズサンドと呼ばれる赤い砂が広がる風景は、とても印象深いものでした。
基地から往復のラクダは楽でしたが、写真を撮るには揺れすぎて難点も。帰りは歩けば良かったかな・・・
ラクダ基地にあるベルベル式テント漠で、砂漠の風を感じながら朝食。その後、再び4WD車でメルズーガからエルフードに戻ります。
●化石探し:
エルフードに戻る途中に、化石が露出している平原があります。数億年前は海底だったと言われるモロッコは世界的な化石の産地で、一帯の山地には採掘場もあるようです。
地表に、アンモナイト、オウムガイの仲間(トレプトセラスなど)、ゴニアタイト等々、海の生物化石が露出している化石地帯に立ち寄り、しばしの時間、化石探しに。
足もとの大きな露岩(写真)には、探すまでもなく見事な化石が無数に見られました。
(このような原石は切り出されたあとで、専門の加工工場で石板やテーブルなどにも製品化されています。
エルフードのホテルの洗面台もそのような見事な石盤が使われていました(写真))。
ポケットに入るくらいの“小さな石ころ“で、しかも”きれいな化石“が埋め込まれているものを探すとなると、やはり熱心に探さなければ拾えません。
それでもオウムガイの仲間(2種類(写真)や、ゴニアタイト(写真)が含まれているものなど適当に3、4個を拾ってから、傍らのショップに立ち寄り、きれいに掘り出された小さなアンモナイトの化石(写真)をいくつか買い求めました。(単なる記念)
●ホテルに戻り、身支度をしてエルフードを出発:
この後の概略行程は、トドラ渓谷に向かい、渓谷内にあるレストランで昼食を済ませてから渓谷を見学、そこから途中何回かトイレ休憩など挟みながら、カスバ街道を約320km(所要約3時間)、宿泊地のワルザザードまで走ります。
☆車中での余談:
モロッコ人の平均月収は約3万円。人気職業は、農業がトップ!次に教師。年収は、農業、公務員、教師でほとんど差が無いとのこと。
平均年齢の若い国で、教育には国としても力を注いでいて、2012年には(しばらく前まで低かった)識字率も80%を越えるまでになっているそうです。
●カナート(地下水路(井戸)):
エルフードを出発して1時間ほど走ると、高原台地にモグラの孔のような土の盛り上がりが連なっている光景を目にします。
”カナート”と呼ばれる水道(井戸)です(写真)。
アトラス山脈に降った雨や雪が地下に浸透してできた地下水路を利用した水道(井戸)設備で、今は観光用の遺構になっています。
その一つの井戸穴に下りて地下水路底から上方、地下水路左右(写真)を見学。今は、水はありません。
カナートの見学と小休止の後、トドラ渓谷に向かいます。
●途中ティネリールの町を通過します。
この町はカスバ街道のほぼ中間点の町で、ちょうど下校時間だったらしく、市街地では通学自転車に乗ったまま大型トラックの後につかまって楽をしている悪ガキの姿(写真)や、また郊外ではカスバ(要塞)跡(写真)なども眺められました。
(なおこの町はトドラ渓谷から戻るときにも再度通りますので、その時にあらためて写真ストップ)。
●トドラ渓谷:
トドラ渓谷に到着後、先に渓谷内のホテル/レストランYASMINA(建物写真)で少し遅い(1時半頃)昼食(モロッコ名物のタジン鍋)をとりました。
食後、”モロッコのグランドキャニオン”と呼ばれる、赤茶けた岩肌をアトラス山脈の雪解け水が削ってできた景勝地(写真)の見学に。前面露出するジュラ紀前期石灰岩層で、200~300mを越える絶壁には、欧州のロッククライマーも、岩登りの練習に訪れる名所という。
しかし、正直なところ、“グランドキャニオン”には名前負けしていると思いました。
●再びティネリールの町:
トドラ渓谷見学後、(往時には素通りした)ティネリール(Tinghir)のオアシス(写真)で写真ストップ。
緑濃い椰子の木の茂るオアシスの町で知られるティネリールは、トドラ渓谷に近く、またトドラ渓谷沿いにあるカスバも見所の一つ。
好みによってはトドラ渓谷よりティネリールのオアシス散策/見学の方がお勧めらしいです。
エルラシディアからティネリール、ワルザザートを結ぶルートはカスバ街道と呼ばれ、街道沿いには名前のとおり城塞跡が続いていて、だんだん慣れっこになってしまいました。
●アーモンド花盛り:
そしてこの時期、良かったのは、道路沿にも栽培されているアーモンド(写真)が花盛りになっていたこと。
サクラに似た白い花がきれいで、バスを停められるところでしばし写真ストップ。
●ブーマレン・ダディス:
その後、ティネリールから約53km、1時間ほど走ったところでダデス川沿いの村ブーマレン・ダディス(写真)に至ります。ここで小休止。ここから内陸に入っていくとダディス渓谷があり、ヨーロッパ人には人気スポットだそうです。
●エル・ケラア・メグナ:
そこからさらに1時間ほど走って、午後5時過ぎに、エル・ケラア・メグナの村に着きました。
この村一帯はブルガリアと並び有名なモロッコのバラ(ダマスクローズ)産地です。
バラ・エッセンス製品はフランスなどに出荷され、ブランドものの香水になったりするそうです。
近くにバラ・エッセンス (ローズウォーター)を蒸留する工場があり、またそれを売る土産品店があります。
ここに、トイレ休憩をかねて立ち寄りました(写真)。
ご婦人方はより美しく香しくなるというバラ・エッセンスをお買い求めですが、男共は手持ちぶさた。
●カスバ・スタイル個人邸宅で、現在は新装のホテル:
そして日が傾いてワルザザートに近くなった辺りで、カスバ(要塞)スタイルの個人邸宅があるというので写真ストップ。
フランス統治時代に活躍した実業家のお宅でしたが、現在は新装されたホテルだそうです。経済戦争中でしょうか。
●午後6時5分頃、地平に沈む夕日(写真)を(日の出と変わらないか、と)眺めながら、ほどなくワルザザートに着きました。
(ワルザザート泊)
(→7日目に続く)
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