コガタルリハムシ
コガタルリハムシ(ハムシ科):
特異な生活史*をもつハムシです。
幼虫,成虫ともギシギシ類、タデ類を食べますが、特にギシギシ類を好むようで、.見かけるのはたいていギシギシに群がった姿です。
●ギシギシの葉に群がる幼虫(4/10撮影)。(もっとおぞましいほどの蚕食状態になった株がまわりにたくさんありました。)
●成虫の体長は5~6mm。今回掲載のものはすべて腹部が小さいので♂のようでした。
背面は光を受けると青藍色に輝いてきれいです。上翅には一部で列状の点刻があります。
*最も普通に見かける、ギシギシを食べ荒らしているコガタルリハムシ。
*ホトケノザで休んでいた1匹のコガタルリハムシ。じっとして動きません。
*披針形の葉の(表裏)両面に伏毛がびっしり生えたタデ科植物の葉を食べていたコガタルリハムシ。当分止みそうにない、食べては排泄、の繰り返し。
「越冬成虫」は3月下旬ごろ地中より這い出してきます。4月~6月上旬の繁殖期には♀のお腹は、♂の倍以上に卵で膨らんでいて、草地のギシギシやスイバの葉の裏に卵をかためて産みつけます。
葉に産み付けられた卵から孵化した幼虫もギシギシなどの葉を食べて成長しますが、充分成長(20日くらい)すると土中に潜って蛹になります。
約1週間で羽化した新成虫は、(5月初旬~6月上旬の間に)1週間ほど地上で活動した後、再び土の中に潜って夏眠、さらにそのまま成虫休眠越冬します。
そして翌年の春、休眠から覚醒した成虫は地上に出て交尾、産卵して一生を終えるという、きわめてユニークな生活史をもっています。
(*http://www.iwate-u.ac.jp/coe/achievements/2005/fujita.pdf)
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このような生活史のコガタルリハムシ成虫は、ちょうど今頃からしばらくの間が、地上生活の最も輝いている時のようです。
分布は日本各地。
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