ユウマダラエダシャク、チャノコカクモンハマキ?、マエアカスカシノメイガ、イボタガ
蛾も活躍する季節になりました。狭い庭に姿を見せた蛾3種と、出先の山地林縁沿い歩道で見かけた蛾1種です。
画像はクリックで拡大します。蛾がお好きでない方には気持ち悪い画像がありますのでご注意を。
●ユウマダラエダシャク(シャクガ科):
外構の壁に貼り付いていました。普通に見かけるガです。大きさ(開張)40~50mm。
幼虫はニシキギ科のマサキ、コマユミなどの葉を食べます。
なお、外観がよく似たヒメマダラエダシャクとクロマダラエダシャクがいますが、両者には前翅前端中央付近にある灰色紋の中に黒い輪状紋がありますので、(黒い輪状紋のない)本種と大方見分けられます。
出現時期は5~6、8~10月、分布は日本各地。
●チャノコカクモンハマキ♀(ハマキガ科)?:
ハクモクレンの葉にとまっていました。撮り直ししようと近づくと逃げられました。
はじめは前翅に紋様はないように見えましたが、よく見るとうっすらと紋様らしきものが識別できて、そのパターンは絵合わせで、チャノコカクモンハマキ♀の前翅紋様に一番似ているようでした。
ただ、本種は前翅の紋様に変異が多く、酷似する仲間もいて、区別が難しいハマキガの一種ということで、写真1枚では正しいかどうかは不明です。
大きさ(開張)13~21mm。成虫出現時期は3~10月、分布は本州、,四国、,九州。
なお幼虫の食餌植物は ツバキ科のチャなど。
●マエアカスカシノメイガ(ツトガ科):
春先から庭のネズミモチ、キンモクセイの新芽が酷く食害されているのに気がつきました。
以前はハマキムシ(ハマキガ幼虫)の被害が多かったのですが。
そして先日、庭掃除中に、木の上から“落ちてきた”のがこの見覚えのあるマエアカスカシノメイガでした。
半透明のハネですが、光を受ける角度によって透明感が極端に変わり、真上からフラッシュ撮影にすると、ほぼ真っ白く写ります。(写真上から3枚目)
鱗粉の配列と内部構造に起因するのでしょうか。
※マエアカスカシノメイガ:
大きさ(開張)30mmほど。半透明の白い翅を持ち、前翅の前縁に黄赤褐色の筋が入ったメイガの仲間です。
平地・山地に普通に見られます。
幼虫はネズミモチ、キンモクセイなど、庭木に用いられる樹木の葉を食べるので、人家周辺でも見られます。また灯火にもよく飛来します。
出現時期は3~11月、分布は日本各地。
●イボタガ(イボタガ科):
出かけた先で、山地林縁沿いの歩道に“貼り付いている”のを撮ったものです。
全く損傷のない個体で、鳥に襲われて逃げてきたりしたのではなさそうでしたが。
蛾が嫌いな人なら一瞬ギョッとするような目玉模様の “気持ち悪く美しい”模様を持つ大型の蛾です。
大きさ(開張)10cmほど。特異な眼状紋があり、日本に生息するイボタガ科の仲間は本種のみで、日本固有種。
分布は日本各地。成虫出現時期は春一回で3月末~4月。
なお、幼虫の食草はモクセイ科のイボタノキ、キンモクセイ、トネリコ、ネズミモチなどの樹木の葉。
初夏に土中に潜り、繭も蛹室も作らず、そのままやや赤味を帯びた黒い蛹になり、翌春に羽化するそうです。
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