シロオビアワフキ幼虫
シロオビアワフキ※の幼虫です。
5月から6月にかけて公園や林縁の草原などで、植物の葉や茎に白い泡の塊がくっついているのを見かけます。
たいていはアワフキムシの“巣”で、園芸植物であれば美観を損ねます。
こちらは、5月中旬に山地林縁の草むらで、ノイバラに作られた白い泡の中にいたもので、
傍にあったドクダミの葉で泡ごと取り外してみると中から這い出してきた幼虫です。大きさは8~10mmほど。
次は5月下旬に、近くの生け垣で見かけたもの。絡みついたノブドウと、その傍のアキニレの小枝に白い泡の巣を作っていました。近くにたくさんありました。
先のものも今回も、中に居たのはシロオビアワフキ※の幼虫でした。
アワフキムシ幼虫が寄生植物に取り付いて吸汁すると、その代謝産物/排泄物液が虫体と植物の間に溜まります。
溜まった排泄液の中には糖タンパク質を含む起泡成分が含まれています。
この中に、腹部を伸縮させることによってスポイトのように尾端から空気を吸い込んだり吐き出したりして排泄物液を泡立て、最終的に白く泡立った粘度の高い泡の塊をつくります。
これを巣としてこの中で生活します。
泡は丈夫で、雨で流れたりしませんが、葉っぱなどでこすって物理的に取り除いていくと、中から幼虫が這い出してきます。
頭部は黒く、目は黄橙色、腹部は橙赤色で尾端は黒色。明るい日射しの中では結構派手で目立ちます。
アワてて物陰に隠れようと意外に素早く逃げていきました。
※シロオビアワフキ(アワフキムシ科):
成虫の姿はセミに似ています。成虫の大きさ (翅端まで)11~12mm。灰褐色で、前翅に白っぽい帯があるアワフキムシ。
ヤナギ、マサキ、バラ、クワなどに付いて吸汁します。
出現時期は年1回。5月上旬、幼虫が寄生開始、泡状の分泌中で生育して、6月中旬羽化、成虫は夏過ぎまで生存して植物を加害します。
越冬は 卵で。 分布は日本各地。
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