オオヤマレンゲ、ハナイカダ、ウツギ、テイカカズラ、マムシグサ
5月中旬、中部/伊那地方の山地で見かけた花です。
●オオヤマレンゲ(モクレン科):
千利休が茶花(茶室に生ける花)として愛用したということでも有名です。
今回のものは、山地庭園に植栽されていたもので、自生株ではありません。
本種は、関東北部以西に分布する樹高3~5mの落葉性低木です。主に山野の落葉樹林内などに自生していますが分布は限局的で、環境省としてのレッドリスト指定はありませんが、各都道府県でそれぞれのレッドリスト指定を受けています。
春に長楕円形の葉を出して、5~7月に径10cm前後の白い花をうつむきかげんに咲かせます。
花の寿命は数日しかありません。花の中心部分には雌しべが立ち、そのまわりに赤紫色の多数の雄しべがついています。
●ハナイカダ(雌株)(ミズキ科ハナイカダ属):
山地庭園の植栽で、自生株ではありません。
本種は雌雄異株です。いずれも葉の中央につぼみをつけ、雄株は複数、雌株は1個を付けるという面白い植物です。
4月下旬に別の地域で見かけた時には雄株、雌株ともに、まだつぼみでしたが、今回の雌株では、花は既に終わって、実が出来はじめていました。
実は夏には黒紫色に熟します。(食べられます。)
●ウツギ(空木)(アジサイ科):
山地林縁にたくさん自生していました。
落葉低木で、唱歌に歌われた”♪ウノハナ(卯の花)の匂う垣根に~”の卯の花です。
空木(うつぎ)の名前のように、茎は中空です。葉の形には変化が多く、卵形、楕円形、卵状被針形などで、葉柄で対生しています。
枝先に円錐花序をつけ、白い花を多数つけます。花にはたくさんの昆虫が集まります。
花期は5~7月、分布は日本各地。
●テイカカズラ(キョウチクトウ科テイカカズラ属):
山地で他の植物に絡んで“生け垣風”になっていました。
常緑のツル植物で、生育環境や生育状態によって姿形や葉の形に変異があり、林床に生育している場合には小さな葉ですが、樹木などに絡んで登り、十分に光が当たるようになると大きな葉をつけて花を咲かせます。
花期は5~6月。分布は本州以南の暖地。
●マムシグサ(サトイモ科テンナンショウ属):
草地や林縁にたくさんありました。
5月頃に花茎を直立させて開花する独特の花姿でおなじみの多年草です。6月には既に緑色の実をつけている個体も見られます。
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