千畳敷カールの高山植物(2013/7、その2)ヤマハハコ、クロトウヒレン、イワツメクサ、ミヤマアキノキリンソウ、キバナノコマノツメ
7月下旬、中央アルプス千畳敷カールに咲いていた高山植物の続き(その2)です。
●ヤマハハコ(キク科):
茎の高さは,高地では30cmほどで、綿毛があります。葉は長さが6~9cm、幅は0.6~1.5cmで、葉脈は3本あります。
花は開いていませんでしたが、花期は8月から9月で、茎の上部に淡黄色の頭花を散房状につけます。
白いカサカサした花びら状のものは総苞片で、(今回の画像にはありませんが)中の黄色い部分が花にあたります。
ハハコグサに似た生態で、山地帯~高山帯の日当たりのよい草地に自生することから、ヤマハハコの名がついています。
●クロトウヒレン(キク科):
本種は、今回のように、黒紫色のつぼみの状態で見つけることが多く、アザミのような花が咲いているところを見るのがちょっと難しい花です。
亜高山帯~高山帯の草地に生える多年草です。草丈は30~50cmくらいで、花の色は淡紫色をしています。
●イワツメクサ(ナデシコ科):
霧に濡れて水滴がついた風情のある画像も撮れました。直径1.5cmほどの真っ白な5弁花ですが、中央が深く裂けているので、花弁が10枚あるように見えます。
葉は、細長く15~30mmで先が細くなっています。花期は7~9月。
●ミヤマアキノキリンソウ(キク科):
黄色い花の花径1.5cmほどで、主に茎頂に花がまとまって付いています。平地で咲いている「アキノキリンソウ」とよく似ていますが、その高山型です。
秋の訪れを感じさせる、数少ない秋の花です。
●キバナノコマノツメ(スミレ科スミレ属):
花姿は、八丁坂や極楽平など岩場や砂礫地帯に生えるクモマスミレと似ている多年草ですが、葉の形状は違っています。
(なお今回はクモマスミレの分布地域まで行かないのでこちらは観察できません。またついでですが、中央アルプスの砂礫地だけに生える希少種”ヒメウスユキソウ”も尾根付近の岩場や砂地まで登らなければ見ることは出来ません。)
(その3)に続きます。