千畳敷カールの高山植物(2013/7、その5最終回)
7月下旬、中央アルプス千畳敷カールに咲いていた高山植物の続き(その5、最終回)で、木本類です。
●チングルマ(バラ科):
高山帯や亜高山帯に生育する落葉性の木本です。草本のように見えますが、地面を這う落葉小低木です。
花茎の先に直径2~3cmほどの白色5弁花を1つ咲かせますが、遠目には中心部が薄い黄色に見えるほど、黄色い雄しべが多数あります。今回は霧に濡れてくっつき合っていました。
葉は羽状複葉で長さは6~10cmほど。枝は地面を這い、群生して花畑をつくります。
花後にできる種の“風車のような綿毛”がユニークです。
花期は7~8月、分布は北海道、本州中部以北。
●アオノツガザクラ(ツツジ科):
高山帯の岩場や草地に生える常緑小低木で、ツガに似た針形の常緑葉と、クリーム色でかわいらしい釣鐘形の花が特徴です。
分布は北海道、本州中部以北。
●コメバツガザクラ(ツツジ科コメバツガザクラ属):
高山から亜高山の砂礫地や礫間などに生育する矮性の低木です。
葉の幅は3~5mmと小さく、茎の先端では3枚が輪生し、7月に長さ5mmほどの花を数個つけます。
分布は北海道、本州中部以北。
●ハイマツの雄花(マツ科マツ属):
高山帯に生育する常緑針葉樹。通りがかりに目についた紅紫色の雄花だけ撮れましたが、雌花の方の写真はありません。
分布は北海道、中部以北。
●ナナカマド(バラ科):
山地~亜高山帯に自生する落葉高木です。白く小さい花をつけていました。
秋、赤く染まる紅葉や果実が美しいので、北海道や東北地方では街路樹としてもよく植えられています。
花期は夏。分布は日本各地。
これまですべて、濃霧に濡れて咲いていたのは、ビジョビジョの”水もしたたる良いお花”ばかりでした。
ps.7月末に中央アルプス檜尾岳付近で不幸な遭難事故がありました。山の”安全”も景観もお天気次第です。
(完)
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