アキノタムラソウ、ゲンノショウコ、ツルボ、ボタンヅルとセンニンソウ、ベッコウハゴロモ(8月の山地で)
8月下旬、山地で見かけた花など。特に新味はありません。
●アキノタムラソウ(シソ科アキギリ属):
山地の林下に小さ目の株が1本だけ生えていました。名前は秋の訪れを知らせる花のように聞こえますが、実際は夏から晩秋まで咲いています。
本種は山野の林縁、道端などに生える多年草で、高さ20~50cm。葉は対生し、多くは3枚の小葉からなることが多いですが変異も多いです。
小葉は長さ2~5cmの広卵形~長卵形で鋸歯があり、鋸歯の先は丸みを帯び、葉先は鈍頭~鋭頭。
茎の上部の葉は複葉とならず葉柄も短いですが、下部の葉には長い柄があります。
茎の上部に長さ10~25cmの花穂をだし、長さ10~13mmほどの青紫色の唇形花を数段輪生します。
花は1つの節に5~6個付きますが、日光の来る方に偏向しています。萼から筒状の花弁が伸び、花冠の外側には白い毛がたくさんあります。
花期は7~11月、分布は本州(山形県以西)、四国、九州。
●ゲンノショウコ(フウロソウ科):
草地や山野に自生する多年草で、日本の代表的な民間薬の一つとして利用されてきました。有効成分はタンニン。
東日本にはシロバナが、西日本ではアカバナが多く見られます。
花期は7~10月、分布は日本各地。
●ツルボ(ユリ科ツルボ属):
開けた草地に生えていました。
山野の日当たりのよいところに生える多年草です。葉の間から20~40cmの花茎を伸ばし、その先端に4~7cmの穂のような総状花序をつけ、淡紫色の花を多数つけます。
花期は8~9月、分布は本州~九州。
●ボタンズルとセンニンソウ(いずれもキンポウゲ科センニンソウ属):
林縁のあちらこちらに巻き付いてたくさん咲いていました。
いずれも山野に生えるツル植物で、遠目には同じように見えますが、近くで葉の形を見れば容易に区別できます。
花に花弁はなく、白い花に見えるのは萼片です。こちらもよく見ると区別できますが、花だけ見たのでは、わかりにくい場合もありますね。
晩秋から初冬になってすっかり葉を落とした後に、たくさんの種髪の種が光を浴びて銀色に光っている風景は、花の時よりもきれいです。
いずれも花期は8~9月、分布は日本各地。
写真上(2枚)がボタンヅル、下がセンニンソウです。
ついでに、すでに穂が出たススキの葉にとまっていたベッコウハゴロモ。
植物の茎から汁を吸うカメムシの仲間です。大きさ(翅端までの長さ)1cmほど。
出現時期は7~9月、分布は本州~九州。
●ベッコウハゴロモ(カメムシ目ハゴロモ科):
| 固定リンク
「昆虫」カテゴリの記事
- ヤマアジサイ開花、ナミテントウなど(2021.05.27)
- ヨトウガの卵( バラの葉裏に)(2021.05.23)
- フヨウの葉を巻くハマキガ幼虫と成虫(ワタノメイガ)(2021.05.22)
- クロネハイイロヒメハマキ(成虫/幼虫)(2021.05.21)
- フタテンアツバ、不明のガ、アカハラゴマダラヒトリ(2021.05.20)
「植物」カテゴリの記事
- ヤマアジサイ開花、ナミテントウなど(2021.05.27)
- ヘメロカリス開花/ 明日(5/26)は皆既月食(2021.05.25)
- フヨウの葉を巻くハマキガ幼虫と成虫(ワタノメイガ)(2021.05.22)
- クロネハイイロヒメハマキ(成虫/幼虫)(2021.05.21)
- バラシロヒメハマキ/不明のハモグリガ幼虫(2021.05.14)
コメント