トウキョウヒメハンミョウ、エリザハンミョウ
●トウキョウヒメハンミョウ(ハンミョウ科):
夏の暑い日、屋外のメダカ水槽に設置した日よけシートに、茶色っぽい小さな甲虫が飛んできました。
すぐには何だか分からなかったのですが、撮った写真を拡大してみて、はじめてトウキョウヒメハンミョウと確認しました。
近寄ると、日よけシートからパット跳んで、水槽の水草にとまりました。(画像はクリックで拡大します。)
そしてまた2mほど飛んで今度は日よけの緑のカーテン・ゴーヤに。
さらに追っかけすると、なんとジャージのズボンの膝下にとまり、上を向いて登ってきます。“俺の顔を撮れ”と言わんばかりのサービス。
※トウキョウヒメハンミョウ:
体長1cm以下の小型のハンミョウ類(コハンミョウ、エリザハンミョウ、トウキョウヒメハンミョウ)の前翅の斑紋比較図鑑からトウキョウヒメハンミョウと同定しました。
大きさ(体長)9mm前後。
暗銅色で、上翅にあまり目立たない白色紋があります。本種は暖地性で、人為的に移入されたとされる小型のハンミョウで、平地から低山地の林縁や都市部の公園、人家の庭などにも棲息しています。
ハンミョウと同様に近寄ると足元から前に飛んで逃げますが、違うのは、少し先に着地するだけではなく、周囲のものに飛びついたりすること。
生きたものを大アゴで捕らえる肉食昆虫で、美しいハンミョウに比べると小さく地味ですが、アップで見る顔つきはなかなかの風貌です。
幼虫は地面に穴を作り、近づいたアリなどを穴から捕食するそうです。
出現時期は6~9月、分布はかなり局地的で、関東の東京周辺と、北九州。
その後もこの飛翔能力の高いトウキョウヒメハンミョウは数日間、庭に姿を見せていました。
ただ、住みつくような環境ではありませんから、少し距離はありますが、散歩コースの草原まで、「探索」に行ってきました。
途中のたんぼ道で、1匹見つけました。土の色に紛れて、”居るはずだ”と注視しながら歩かないと、まず目にはとまりません。
そして目的地の開けた草原に。
予想通りあちこちに見つかりました。これまでは茶色っぽいクモか何か、ともかく小さな虫が素早く横切っていくだけと、全く気にもとめなかったものでしたが、注視すれば紛れもなく、この地味なハンミョウが餌の小昆虫を探しながらそこここに歩き回っていることが分かりました。
●エリザハンミョウ:
ハンミョウ類はその特異な歩き方ですぐに他の虫と区別できますが、近寄るとすぐに飛ぶので、なかなか思うようにマクロの画像が撮れません。
何日か撮りためて、後日画像を整理していたところ、前翅の白色斑紋から、こちらも初めて記録のエリザハンミョウと思われる個体が写っていましたが、この画像では情報不足で不確かです。
※エリザハンミョウ:
体長8~10mmほど。出現時期は5~9月、分布は日本各地。
知らないだけで、身近なところにもまだまだ色々な昆虫が普通に生息しているようです。
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