ハグロソウ(葉黒草)、キツネノマゴ
●ハグロソウ(キツネノマゴ科ハグロソウ属):
8月はじめ、山地の森林帯林縁に点々と生えているのを初めて見かけました。
草丈は20~40cmほど。花は長径2cmほどで小さいながらも、濃い緑の葉状の苞に挟まれたユニークな2弁花で、とても目立ちました。
本種は山地の半日陰で、やや湿り気のある林縁などに生える多年草です。
茎の先や上部の葉の脇から長さ5~15mmの花柄を出し、その先に付いた手の平を合わせたような2枚の苞葉の間に花をつけます。
下弁に沿うように、雄しべ2本、雌しべ1本が伸びています。通常花の数は1個ですが、まれに2~3個付くことがあります。
特徴のある上下に開いた2弁の唇形花で、上の花びらはやや細く先が反り返り、下唇は丸く大きくなっています。
花の色はほとんど白色に近いものから紅紫色と変化があり、花びらの内側には、濃い紅紫色の斑点模様があります。
葉の表面は暗緑色で、葉先も基部も尖る長さ5~10cmの卵状長楕円形で、2枚の葉が対生して(向かい合って)茎につきます。
花が終わると、長さ約9~12ミリの実が出来ます。
なお、「葉黒草」の名前は、葉が黒く見えるほどの暗緑色をしていることに由来する、とも。
花期は7月下旬~10月上旬頃、(自生)分布は関東以西の本州~九州の森林帯とされ、目にする機会はあまり多くはなさそうです。
※キツネノマゴ(キツネノマゴ科キツネノマゴ属):
余談ながら、遠目には小さな花の形(唇形花)が若干似ているものに、同じキツネノマゴ科の「キツネノマゴ」があります。
こちらは本州~九州の道端など、どこにでも普通に見られる雑草です。
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