稲刈り前の水田雑草とアメリカザリガニ
近郊の田んぼでは、すでに早稲種の刈り取りは終わっていますが、それ以外の田んぼでは例年より刈り取りが遅いようです。
昼過ぎまでは晴れて猛暑日になりますが、午後は停電をともなう雷雨に見舞われる昨今で、なかなか刈り取り作業見極めのタイミングが難しいからでしょうか。
先日、蒸し暑いたんぼ道を自転車で走ってきた時に、目にした水田雑草のいくつかと、今シーズン”最後の”巣穴造りに励むアメリカザリガニの様子です。
●ミズワラビ:
例年より生長が遅いように見えます。昔は食用にもされたという事で、害草ではありません。
稲刈りが終わった後にも残った株は生長していきます。
●キクモ:
今シーズンはあまり見かけませんでしたが、特定の田んぼに生長しているのを見かけました。
●コナギ:
毎年、大繁殖するのをよく見かけますが、今シーズンはあまり目立ちません。
●クサネム(マメ科クサネム属):
草取りをする手間がないからでしょうか、特定の田んぼではかなりひどい状況になっているところが見受けられました。
クサネムの種子には節があり、茶色に熟すと触るだけでバラバラになってしまいます。
この莢を持った節果は地表に落下すると、一部は分裂して裂開しますが、そのほとんどは莢の付いた状態で翌春まで生存して、田植えとともに芽生えて生長します。
水田に生えると、稲作農家で最も嫌われる強害雑草になります。
理由は、1年草ですが、繁殖力も旺盛で、こぼれた種から毎年、同じところに生えてきて、稲刈り時に木質化した硬い茎がコンバインの刃を損傷するだけではなく、バラバラに砕けて混入したクサネムの黒い種は厚みが普通の米と同じくらいあるため、選別の網をくぐり抜けて一番米の中に混じってしまい、玄米の中に混ざれば一目瞭然で、検査等級を間違いなく下げて減益につながるからです。
●アメリカザリガニ:
毎年この舗装農道沿い水田地区には、多数のアメリカザリガニが巣穴の”塹壕”を掘って 暮らしています。
そして水が落とされ、稲刈りが終わり、田土が乾燥する時期には、巣穴から退去するしかありません。
そのことをよく知っているチュウサギが大挙して飛来し、一帯がザリガニ・パーティーの会場になってしまいます。
宴の痕には点々と、食べ残された硬いハサミと頭部の殻が散らばっています。
待ちきれずにやって来たチュウサギの犠牲になったものも、塹壕のそばに転がっていました。
ps.
本日午後2時過ぎ、外出しようとして玄関先に出たところ、それまで晴れていた天気が急変、突如として暗くなり、強い風が吹き出すとともに、大粒の雨がばたばた落ちてきて、あっという間に道路はびしょびしょに。
家の中に戻ると激しい雷鳴で、その振動が伝わってくるほどの異常気象。
ちょうどこの頃、ごく近くの越谷市で建物や人に多数の竜巻被害が発生していたことを(後ほど)ニュースで知りました。
他人事ではありませんが、ピンポイントで発生する竜巻は予測困難という事で、形式的に繰り返される注意報はあまり役に立たないとあらためて思ったものです。
| 固定リンク
「植物」カテゴリの記事
- ヤマアジサイ開花、ナミテントウなど(2021.05.27)
- ヘメロカリス開花/ 明日(5/26)は皆既月食(2021.05.25)
- フヨウの葉を巻くハマキガ幼虫と成虫(ワタノメイガ)(2021.05.22)
- クロネハイイロヒメハマキ(成虫/幼虫)(2021.05.21)
- バラシロヒメハマキ/不明のハモグリガ幼虫(2021.05.14)
「動物」カテゴリの記事
- 今朝の残月/カラス(2021.02.09)
- 何事もなく終わる11月の自然の片隅で;半影月食を伴う満月(2020.11.30)
- カナヘビの子供(再び)(2020.08.13)
- アマガエル、クサギカメムシ4齢幼、カナヘビ子供など(2020.07.30)
- トクサオカチョウジガイ(2020.07.24)
コメント