キンボシハネカクシ
●キンボシハネカクシ(ハネカクシ科):
連日の雨の後、これまでのようには気温が上がらない曇天の舗装遊歩道でのこと。
路上にまで這い延びた草の隙間を素早く走る”所々黄色に光る“黒い虫を目にして、何回か当てずっぽうにシャッターを押しました。
すぐに草むらの中に見失いました。
画像を確認すると、ブレた写真の1枚に、以前我が家の庭に、空中からコンッ と落ちてきたことがあって、見覚えのあるキンボシハネカクシでした。
その後、今にも降りそうで人気のない遊歩道をしばらく歩いて行くうちに、予想通り、またもや雨粒が落ちてきました。
用心のため持参していた大きなカサを開いての帰り道、再び舗装遊歩道の真ん中を素早く横断している別の個体を見つけました。
傘をたたんで下に置いてから、逃げる前方に(踏みつぶさないよう爪先を少し浮かせた)スニーカーを出して通せんぼ。
すると、そのまま、浮かせた靴の下に潜って出てきません。そっと足をどけると、隠れたつもりになっているのか、じっと路上に”固まって”静止しています。
シャッターチャンスです。
しかし数秒~十数秒後にはまた動き出します。
それを追っかけ、たたんだ傘で邪魔する、それを数回繰り返して、その都度,しばらくの間だけ“固まった”生態写真が撮れました。
なお、画像を見ると腹端に、白い毛が出ている時があることが分かりましたが、どういうことなのかは分かりません。
今回は素人写真としては“金星”の画像と自己満足です。ハネカクシは度重なる邪魔をされて不満でしたでしょうが。
(画像はクリックで拡大表示します。)
本種は体表の一部が金色毛に覆われた美しい大型のハネカクシで、大きさ(体長)は17~20mmほど。一般に♀は♂より大きめ。
地表性で、多くは平地~低山地、さらに山地まで広く生息し、分布は日本全国ですが、各地の個体数は少なく、地域によって、山口県では準絶滅危惧種、当地埼玉県、また東京都、神奈川県などでは絶滅危惧Ⅱ類などに指定されています。
全体としては光沢のない黒色の体ですが、頭部、前胸背板、上翅、腹部背5~6節背面には金色の細毛が密生していて光を受けると美しく輝きます。
名前の通り、“隠している翅”は、背中の金色の産毛に覆われた小さな前翅(鞘翅)の下にあります。
細かく折りたたまれた大きな後翅が格納されていて、もちろん、その後翅で良く飛ぶことができます。
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