クロバナヒキオコシ
曇天で今にも降りそうな旅先の北信越地方で、午後4時過ぎ、標高400mほどの山道林縁で見かけた野草などの続きです。
何か目新しいものはないかと見回しながら歩いていたおかげで目に入ったのですが、ただ散歩しているだけでは目にとまらないほど目立たない植物でした。
クロバナヒキオコシ(黒花引起)」は夏から秋にかけて、暗紫色の小さな花をたくさんつけるシソ科の多年草で、名前はヒキオコシ*に似ていて黒い花を咲かせることから。
(*「ヒキオコシ(引起こし)」の名の由来は、弘法大師が病で倒れた旅人に、この草を煎じて飲ませたところ、その病人が起き上がったという伝説から。)
ほんの少しの風でも揺らぎ続け、既に薄暗い曇天の午後4時過ぎとあって、ブレるばかりでなかなか思うような写真が撮れず、少々意地になってしまいましたが、やがてぽつぽつ降ってきたため、追われるようにあきらめて引き上げたものです。
本種は北海道~本州の日本海側に分布していて、”在るところには普通にある”そうなのですが、私は初見でしたので、ページをあらためてここに記載しました。
※全草の姿:
藪になって斜めに倒れ込んでいた株の一つを持ち上げてみると、草丈は1.5mほどありました。
遠目には暗紫色の小さな花冠(5~6mm)は全く目立ちません。
※果実(分果):
それよりも既に出来ていた果実(分果)の白い色の方が目につきました。
※各部:
茎の上部の葉腋から集散花序を出し、それが集まって大型の円錐花序にになって多数の花をつけます。
花は暗紫色の唇形花で、上唇は直立して4裂し、下唇は舟形をしています。
また萼は5裂し、細毛があります。
葉には柄があり、対生しています。3角状広卵形で薄く、長さ6~15cmほどで、縁には鋸歯があります。
茎は四角形で、稜には下向きの細毛があります。
果実は倒卵形になる分果で、大きさ1.5mmほど。分果の先に白色の短毛があり、白く見えます。
花期は8~10月、(自生)分布は北海道と本州日本海側の里山や棚田の土手、また山地林縁など。
(→ 2日目に続きます。)
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