晩秋の富士すそ野で見かけたノササゲ、ツルリンドウその他、草木の果実や草花など
先日の良く晴れた1日、運動のために晩秋の富士山すそ野歩きに、日帰りで行ってきました。
冠雪の富士山がきれいでした。その折り見かけた草木の実や草花などです。
※はじめに余談:
山地には、先の10月16日、伊豆大島に豪雨とそれにともない発生した土石流により大きな被害をもたらした台風26号が、関東地方でも地域によっては猛威をふるったことを如実に示す爪痕として、幹が真ん中からボキボキ折れた樹木、あるいは根こそぎ倒れた大木や、散乱した小枝などが、大量に残されていて、10年に一度の強い勢力として警戒を呼びかけられた台風であったことをあらためて実感したことでした。
●ノイバラとツルウメモドキの果実:
山地林縁で、赤い実をまばらにつけたノイバラ(写真上)と、そのノイバラに絡んで実をつけていたツルウメモドキ(写真下2枚)です。
ツルウメモドキは黄色に熟したさく果が開裂して赤い実がのぞき、コントラストがきれいでした。
※ノイバラ(ノバラ)(バラ科バラ属):
ノイバラは落葉性のつる性低木でノバラともいい、高さは2mぐらいになります。
葉は奇数羽状複葉で、小葉数は7~9、長さは10cmほど。
花期は5~6月。枝の端に白色~淡紅色の5弁花を散房状につけます。
秋に赤く熟す果実は偽果で、萼筒が肥大して液果状になったもの。直径6~9mmの卵球形で、中には長さ3~4mmのそう果が5~12個入っています。
なお果実は営実(エイジツ)と呼ばれ、瀉下薬、利尿薬として利用され、日本薬局方にも記載されています。
分布は日本各地。
※ツルウメモドキ。
日当たりのよい山野の林縁に生え、長さ数mに達する落葉つる性木本で、雌雄異株です。
葉腋に短い集散花序を出し、雄株では数個、雌株では1~3個の小さな5弁花をつけます。
花は黄緑色で、直径6~8mm。
果実はさく果で、直径7~8mmの球形。10~12月に黄色に熟します。
熟すと3つに裂開して、赤い仮種皮に被われた種子が現れます。種子は長さ約4mm。
葉がウメやウメもどきに似ている、つる性植物なので、ツルウメモドキの名前です。
花期は5~6月、分布は日本各地。
●マユミとイヌショウマ:
※マユミ(ニシキギ科):
開けた山地の、少し遠くにありましたが、さく果が赤い花のように見えて目立ちました。
マユミは山野に生える落葉低木で、昔、この樹で丸木弓が作られたことからの名前です。
雌雄異株のため、マユミと分かっても、実がついていない木があります。
秋に紅葉しますが、一部の葉は遅くまで残ることが多いようです。
秋に淡紅色に熟した朔果は4つに裂け、中から仮種皮に包まれた、赤い種子が現われて、遠目には赤い花のようにも見えてきれいで、冬でも目立ちます。
庭木や公園樹としてもよく植えられています。分布は日本各地。
※イヌショウマ(キンポウゲ科サラシナショウマ属):
日本固有種で、山地林縁や林の中に生える多年草です。
草丈は40~80cmほど。葉は2回3出複葉で、小葉には鋸歯があります。
近縁種のサラシナショウマより花穂は小型ですが、長い花茎を伸ばし、白い小さな花をたくさんつけます。
名の由来はサラシナショウマ(薬用)に似ているがイヌ:役に立たない(薬用にならない)というところから。
開花期は8~11月。分布は関東地方~近畿地方。
●ノササゲ(マメ科ノササゲ属):
ヒノキ林の傍にぶら下がっていました。青紫色の丸い豆果はそれなりにきれいです。
本種は山地の林縁に生える、つる性多年草で、茎は黒紫色を帯びることが多く、細長くのびています。
葉は3出複葉で互生し、小葉は長卵形で質は薄く、裏面は白色を帯びています。
晩夏8~9月、葉の脇から出る総状花序に、15~20mmの淡黄色で蝶形の花をつけます。
花後に豆果が出来、熟すと鞘(豆果)自体が紫色になって2つに裂け、中にある青紫色の球形豆(種子)は表面に白っぽく粉をふいたようになります。
1つの鞘の中に3~5個の種子があります。
裂けた豆果からぶら下がった種子は、かなり長い間、豆果から離れずにくっついています。
分布は本州~九州。
●ツルリンドウ(リンドウ科):
林縁の道沿いに生えていました。
山地の林縁、木陰に生える、多年草つる植物です。蔓が地面を這ったり草木に絡んだりして、長さ40~80 cmほどになります。
葉は対生し、3本の主脈が目立ちます。葉腋に淡紫色で鐘状の先端が5裂した花をつけます。
花後、紅紫色の果実が花弁の先に実ります。
開花時期は8月~11月、分布は日本各地。
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