ヤノナミガタチビタマムシ
朝は屋外の水槽に氷が張る冷え込みでしたが、日中の気温は11℃まで上がりました。
明日は暖かさとスギ花粉飛散が春本番という、うれしくもあり、うれしくもない予報。
●ヤノナミガタチビタマムシ(タマムシ科チビタマムシ亜科):
先日、公園のケヤキの大木で、剥がれかかった樹皮の割れ目を剥がしてみると、隙間に数mmほどの大きさで、茶褐色の虫が一匹見えたので、とりあえず撮ってみました。
小さな甲虫で、そのままでは何だかよく分かりません。
じっと動かないので、落ちていた小枝の先で、ポケットにあった(繊維屑がかなりくっついていたようです)透明プラスチック容器に載せてから、明るい直射日光のもとに持ち出してあらためて撮り直してみました。
越冬休眠していたところを起こされて、直射日光に当たったからでしょうか、ゆっくり動き始めましたが、飛び立つ様子はありませんでした。
ただ小さいこともあって、繰り返し撮り直しても、なかなかピントが合いにくかったり、光の受け方で色調が変化したりして難しい被写体でした。
最後は定規の上に仰向けに載せて、およその体長計測(4mmほどでした)。
翅を広げて起き上がろうともがきますが、何もつかまるものがない定規板の上では、ずっと仰向けのままでした。
しかし広がった翅は大きく立派で、飛翔能力は大きいようです。
Webの昆虫図鑑などを参照して、ヤノ ナミガタ チビ タマムシと同定しました。
本種は、体長4mm弱で、背中に波形模様を持つ、ケヤキの害虫とわかりました。
タマムシ(玉虫)といえば華麗な昆虫の代表格で、翅が法隆寺や正倉院の御物の玉虫厨子に使用されていることを思い浮かべますが、同類にこんな、見栄えのしない小さな害虫がいるとは・・・・
●ヤノナミガタチビタマムシ
体長4mm弱。本種の幼虫はケヤキ(ニレ科)の若葉を食害し、冬期、ケヤキの樹皮を剥がしたりすると、越冬中の成虫集団がいることもあります。
※生活史:
卵から孵化した幼虫は葉の内部に潜り、ケヤキの葉を内部から食害しながら成長し、初夏に葉の褐変・落葉を引き起こします。
成虫になるとケヤキの葉を外部から主脈を残しながら食害します。
気温が下がり始めた10月にケヤキ樹皮下に潜り込み、越冬します。
翌年、ケヤキの開葉と共に活動を開始し、葉を食害しながら、交尾、産卵を行い、6月には姿を消します。
http://www.pref.yamanashi.jp/shinsouken/documents/fukyuutuusin18.pdf
※参考:
大きさもよく似た仲間のナミガタチビタマムシ、クズノチビタマムシ、ヤナギチビタマムシ、クズノチビタマムシ、サシゲチビタマムシ、また更に小さいウメチビタマムシ、コウゾチビタマムシなど、“食葉樹”によって分化した数十種類がいるそうです。
追記:
後日、別の記事(ヤノナミガタチビタマムシその2)があります。
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