テングチョウ、ヤママユ(ガ)の抜け殻(2014/4)
晴れて日中の気温も平年より高い日々の続く最中、富士山すそ野まで日帰りウォーキングに行ってきました。
しかし、標高900mを越える現地では、先の(2014.2.14記録的大雪)の名残の雪がいまだに日陰の道路や林地に残り、山里の春はまだ浅く、桜(ソメイヨシノ)のつぼみもやっと膨らみはじめたばかりでした。
●テングチョウ:
落葉樹の芽吹きはまだほとんど始まっていない明るい林地で、数頭のチョウが飛び交っていました。
時々枯れ落ち葉の地面に下ります。しかし翅を閉じている時には、枯れ葉色の裏翅が保護色になって見失います。
そして暖をとるためにゆっくりと翅を広げはじめると居場所がわかり、急ぎ撮影。
翅も少し傷んでいて、テングチョウの越冬成虫とわかりました。
今回は、翅は完全に開ききらないまま、再びゆっくりと閉じていき、完全に閉じてしまう前に飛び去ってしまいました。
残念ながら、翅を閉じた時の姿でないと、”天狗”になぞらえられた突起の様子はわかりづらいです。
(画像はクリックで拡大します)。
※テングチョウ(タテハチョウ科):
成虫の前翅長は20~30 mmほど。翅は茶色で、前翅の縁に角状の突起があります。
翅の表面には褐色~橙色の斑紋がありますが、前翅前端にある2つの斑紋は白色です。
頭部の触角の内側に前方に伸びる突起(パルピ:下唇髭)という器官があり、これが天狗の鼻のように見えることから、この和名です。
平地から山地の雑木林周辺に生息し、成虫は年1回~2回発生します。
最初の発生は6~ 7月頃ですが、盛夏には休眠し、秋、9~11に発生したものと共に再び活動し、そのまま成虫越します。
翌早春に再び活動を開始します。素速く羽ばたいて機敏に飛び、地面にもよく下ります。
各種の花に訪れます。なお、幼虫の食葉樹はエノキ(の葉)など。分布は日本各地。
●ヤママユ(ガ)の繭抜け殻:
明るい林地の木の枝に、見慣れた天蚕の繭の抜け殻がぶら下がっていました。
春なお浅い山地に残っていた風物です。
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