バッコヤナギ、オノエヤナギ?(雌株)/白い綿毛の種を飛ばす春
●バッコヤナギ(別名ヤマネコヤナギ)(ヤナギ科):
4月下旬のこと。時折訪れることがある近隣の緑地で、ふわふわと空中を舞う白い綿毛が目に入りました。
大量の白い綿毛をそよ風に乗せて飛ばしていたのは、小川の岸辺で大木に育った落葉高木、ヤナギの仲間の「バッコヤナギ」(雌株)でした。
小川にかかる橋の上から写真撮りが出来ました。
綿毛を持った小さな種子は風に乗って散布されますが、種子は非常に小さく、寿命も短いため定着することは難しいそうです。
(なお、雄株はネコヤナギにそっくりの花をつけるだけです。)
●木製の橋の欄干に絡まった綿毛の塊や、欄干に張られたクモの巣に掛かったもの。
近くにはタンポポの種も。
(撮影倍率が違うので大きさの比較は出来ません。)
※バッコヤナギ:
雌雄異株。落葉高木で樹高は10m、幹の直径は50cmほどになります。
花期は3~4月で、葉の展開前に開花します。雌花序は長さ3cmほどの楕円形で少し湾曲し、長さ1cmほどの柄があります。
葉は互生。葉身の長さは8~15cm、楕円形~長楕円形で、質は厚く、葉先は尖り、多くは縁に波状の鋸歯があります。
樹皮は古くなると縦に浅くひび割れが入ります。
基部に綿毛の付いた種子は長さ1.5mmほどの小さな線状楕円形で、寿命はきわめて短く、1週間で発芽力がなくなるとされています。
分布は北海道(南西部)、本州、四国。
●オノエヤナギ(?)雌株:
同じ頃、山地の自然林で、やはり空中をふわふわ飛んでいる綿毛を見かけました。
近くに樹高8mほどの柳があり、葉の形状などからオノエヤナギかと思いましたが確かではありません。
本種も、4月に葉と同時に円柱形の尾状花序をつけ、花後に熟した蒴果が2裂し、白い綿毛に包まれた種子を多量に出して風に乗せて飛ばします。
※余談:
ヤナギの仲間はすべて雌雄異株で、シダレヤナギ、タチヤナギ、オノエヤナギ、また葉がポプラに似たハコヤナギ等々多くの種類があるようですが、そのいずれの雌株も綿毛の種を飛ばします。
民家に近いところに生えたものは、綿毛の飛散が“公害”になることもあるそうで、ほどほど、が良いですね。
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