ハマナス、ハマヒルガオ、シロバナマンテマ、ウワバミソウ、その他
5月下旬、”ミステリーツアー”なるバス旅の北陸路(新潟)山間地や海岸で見かけた野草です。
季節の巡りは関東平野よりもゆっくりかな、という印象でした。
特別目新しいものはありませんが、当然、当地「海無し県」には分布しない花もあり、時には海辺にも行きたいものです。
●タニウツギ(スイカズラ科タニウツギ属):
関東から北陸方面へ関越トンネルを越えると、高速道路沿いの山肌の随所に普通に見られるようになります。
日当たりのよい山野に生える落葉小高木で、枝先や上部の葉腋に桃紅色または紅色の花を2~3個ずつつけます。
花冠は長さ2.5~3.5cmの漏斗形で、先は5裂します。
花期は5~6月。 分布は北海道~本州の、主に日本海側。
●シャガ(アヤメ科):
山地の林床に生えていました。
日陰になる林縁や林地の林床に自生する常緑多年草です。
花が美しいので公園や庭にもよく植えられています。
花期は4~6月、分布は本州、四国、九州。
●ウワバミソウ(蟒草)(別名ミズナ)(イラクサ科ウワバミソウ属):
湿度の高い山地林床にたくさん生えていました。花は蕾のものがほとんどでした。
いかにもやわらかそうな草姿の多年草です。
高さ30センチメートル内外で陰湿地に群生し、柔らかく多汁です。
葉には切れ込みがあります。6月頃淡黄緑色の小花を葉腋に密生します。
食べたことはありませんが、若い茎をゆでて、おひたしや、和え物に、また煮物にしても美味しいそうです。
●オドリコソウ(シソ科オドリコソウ属):
山地の林縁に咲いていました。
自然度の高い山野や道端の半日陰に生える多年草です。
草丈は30~50cm。茎はやわらかく、節に長い毛があります。
粗い鋸歯のある葉は対生し、葉柄があり、長さ5~10cmの卵状三角形~広卵形で先端は尖ります。
花は白色~淡紅紫色の唇形花で、上部の葉腋に多数輪生します。花冠は長さ3~4cmあり、上唇はかぶと状で、縁に長い毛があります。
花期は4~6月、分布は日本各地。
●ハマナス(バラ科バラ属)
主に海岸の砂地に自生する落葉低木。赤い花(まれに白花)を咲かせます。
花期は5~7月。分布は北海道に多く、本州南部太平洋側では茨城県、日本海側では島根県が自生の南限。
●ハマヒルガオ(ヒルガオ科ヒルガオ属):
海浜の草地に広がっていましたが、まだ蕾が多かったようです。曇天のため開ききっていませんでしたが、花はヒルガオヒルガオにそっくり。
本種は、砂の中に白色の地下茎を長く伸ばしてふえる匍匐性の多年草。
葉は互生し、長さ2~4cm、幅3~5cmの腎円形で基部は深い心形。厚くて光沢があります。
葉腋から長い花柄をだして、先端に淡紅色の花をつけます。花冠は直径4~5cmの漏斗形。
花期は5~6月、分布は日本各地の海浜砂地。
●シロバナマンテマ(ナデシコ科マンテマ属):
海岸近くの草地に咲いていました。
本種は基本種で、ヨーロッパ原産の帰化植物の2年草です。
茎や萼筒など全体に長毛と腺毛が混生してベタベタします。
茎は下部がやや横に這い、よく分岐して上部は直立し高さは20~50cm。
葉は楕円形で、下部のものは頂部の幅の広いへら形、全縁で無柄、対生します。
茎の先に短い穂を出し、直径1cmほどの5弁花を1方向に向けてつけます。花弁は白色~淡紅色でやや細長い形状。
花期は5~7月。分布は日本各地の海岸に近い砂浜や草地,市街地など。
なお、花が似ているものにホザキマンテマ、マンテマがありますが、ホザキマンテマは白色の花弁が深裂するので区別でき、またマンテマは花弁が幅広で、花色は白い縁取りのある濃紅色なので区別できます。
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