ヒメクロオトシブミ
ヒメクロオトシブミ:
身近なフィールドではなかなか観察できないオトシブミです。
そこで4月下旬、わざわざ車で近くの自然公園(埼玉県下)まで行ってきました。
今回1時間ほどかかって見つけられたのは、ノイバラにいた大きさ5mmほどの黒いヒメクロオトシブミだけでした。
観察した個体は脚が黒く腹部は半分黄色のタイプだったようです。
①ノイバラやアケビが混じって生えている林縁で、ノイバラの葉に食み跡があり、周辺をしばらく探していて、後ろ姿のヒメクロオトシブミ発見。
(余談ながら、大分前のことですが、長野県下の林縁を通りすがりに見つけたことがありました。)
②同じ個体をしばらく観察。
この時にはあまり動き回らなかったのでじっくり撮れましたが、予期せず突然に飛び立ってしまいました。
③付近を探して、少し離れたノイバラの葉裏にいるのを見つけました。
この時は動き回っていて、すぐに飛び立ち見失いました。
(なお、後で画像を確認してから、腹部の半分くらいが橙黄色であることがわかりました。)
④近くに絡んでいたアケビの葉にとまっているのを見つけました。
3分間くらいはその周辺をうごきまわっていましたが、やがて飛び立ち、また見失いました。
⑤最初に見かけた近くの葉表にいるのを再々発見して、2枚目のシャッターを押した途端に飛び立ち、見えなくなりました。
飛び立った瞬間の写真はピンぼけですが画面の端にかろうじて映っていて、腹部の橙黄色が確認できました。
★感想:
5mほどの距離を行ったり来たり、結構よく飛び回るものと実感しました。
また”落とし文”(揺籃)を作る様子も、出来上がったものも、今回は観察できませんでした。
具体的な根拠はありませんが、飛び回っていたのは同じ個体だったのではないかと想像しています。雌雄はもちろんわかりません。
今回はこれで切り上げましたが、後で画像撮影時間記録を見ると、最初の発見からここまでの経過時間は15分位でした。(→暇人だから出来ることですが)。
※ヒメクロオトシブミ:
大きさ(体長)4.5~5.5mm。出現期間は晩春から秋までと長く、ホスト植物はコナラ、クヌギ、ミズナラ、シラカシなど(ブナ科)、ノイバラ、キイチゴ類(バラ科)、ツツジ類(ツツジ科)、ニセアカシア、フジ(マメ科)、その他アキグミ、シデ類、ハンノキ、サルスベリなど広範囲にわたり、最も普通に見られるオトシブミ。
オスとメスの首の長さなど形態差はほとんどない。また体色には黒色型、黄腹型、背赤型の3つを基本とする地方変異がある。分布は日本各地。
(参照:『オトシブミ ハンドブック』安田守・沢田佳久/著、文一総合出版)
※無関係の余談:
全くの他力本願で、マダガスカル固有種”ジラフビートル”(キリン クビナガ オトシブミ)♀を観察する機会がありました。
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