クズノチビタマムシ
●クズノチビタマムシ(タマムシ科チビタマムシ亜科):
耕作放棄地が残土置き場になり、雑草が生えたその上をクズが覆い尽くしている、そのような光景が散見されるフィールドで。
歩道にまで長々”這い出して“いるクズの葉の縁が、一様にぎざぎざの縁取り模様に囓られています。
犯人は複数いるようですが、その一つがクズノチビタマムシ。
観察にはルーペがほしい大きさの3~4mmで、頭部・胸部には金色の微毛があり、黒い上翅には灰白色の波状の帯紋があります。
葉の上で静止して休んでいるところを刺激すると飛んで逃げることもありますが、多くは歩いて葉裏に隠れるように逃げていきます。
指先で邪魔すると這い上がってきました。
前日の雷雨ですっかり洗い流されてきれいになった、囓り跡のついた葉。
新しく囓られている葉の周囲には多量の糞がばらまかれていて、その食欲の旺盛さがわかります。
成虫・幼虫ともにクズの葉を食べます。
成虫は葉の縁からギザギザに食べた食痕を残しながらクズの葉を食べ、幼虫はクズの葉の中に潜りこんで葉肉を食べて育つ潜葉虫です。
蔓延ると始末に難渋して嫌われ者のクズですから、枯れてしまうほど食べてくれれば良いのでしょうが、何しろ”処理能力”小さすぎて役には立ちませんね。
出現時期は4~10月、分布は日本各地。
なお同じ仲間には、ケヤキにつく「ヤノナミガタチビタマムシ」がいます。こちらは時にケヤキに実害を与える可能性があり要注意です。
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