ハイイロゲンゴロウ、テナガエビ
①大雨後にできた水溜まりで。
ハイイロゲンゴロウ:
まだ梅雨の明けない7月中旬、激しい雷雨の翌日、道端の凹みに出来た水溜まりの泥底で、多数の甲虫がミズスマシのようにクルクル回ったり、あるいは泥底から水面へと素早く往復したりしているのが目にとまりました。
何だろうと近寄ると素早く軟泥に潜り込んで姿を隠すため何者かわかりません。
廃品のプラスチックカップで泥ごと掬い採って道路に広げ、泥の中から這い出してくるのを2匹捕まえ、水洗してから少量の水を入れたカップに入れて確認できました。
記録用に何枚か撮影後、水ごとカップを道路に空けると、ひっくり返ってほんのしばらくもがいていましたが、すぐに翅を広げ“ブン”と飛んで行きました。
はじめて確認した「ハイイロゲンゴロウ」でした。
多分、傍の水田や脇を流れる排水溝に住んでいるものが偶々先日の豪雨で流れ出しものと推測しました。
(なおこの場所は路肩が少し窪んで泥が溜まっているため、湿り気はありますが通常は乾いた地面で、水性生物が住む環境ではありません。
今回の水溜まりも5日後には干上がっていました。)
水溜まりの干上がる前に飛び立って移動したことでしょう。
※ハイイロゲンゴロウ(ゲンゴロウ科):
ゲンゴロウの仲間では最も普通で、池沼や田んぼのほか、コンクリート製の防火用水、プールなど、植物のない水域にも多く見られる体長13~15mmの中型のゲンゴロウです。
淡黄色に多数の黒い点刻があり(更に黒い斑紋もあり、上翅後方に黒い横帯が見られる個体が多く)、遠目には灰色に見えることから“ハイイロ”の和名。
主に弱った小魚や、昆虫などを食べる肉食性です。
水質の悪化/富栄養化や水温の上昇にも強く、大量繁殖することもあるという。
水中をすばやく泳ぎ、水面から直接飛ぶことが出来ますが、その距離はごく短いようです。
1年を通して、平地の池沼や水田などで観察され、分布は日本各地。
②池のそばの”人間が作った”水溜まりで。
テナガエビ:
大雨の時には草原と共に水深2mほどにも水没し、渇水期にはどんどん水量が減り、酸欠になり、ついには完全に干上がってしまう、水性生物にとっては近寄ってはいけない、”魔の水場”です。
でもそのようなことを生き物達は知りようもないことで、今回見かけたのはその犠牲者でした。
一昨年、釣りキチおじさんから教えられてはじめて知った、池にたくさん生息しているテナガエビ。
日本には3種類のテナガエビが生息しているそうですが、知識がありませんので、単純にテナガエビとしました。
通常、日中は少し深いところにいて水際にはあまり寄っては来ないと聞いていたものです。
大雨で調節池の貯留水がmaxになった6月に、この穴底に集まっていたのでしょうか。
貯留水の放流が始まって水位が下がり、水溜まりの水位も下がって酸欠気味で黒みを帯びた水溜まりをのぞいてみると、おびただしい数の大小様々のテナガエビと小さな魚類が水面近くに集まっているのを目にしました。
水場が再び完全水没して、もっと深みに移動・脱出するチャンスが来るまで生き延びない限り、全滅です。
そして後日そうなりました。
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