冬鳥(2014/10,11)①ホシハジロ
今シーズンの冬鳥。
10月には台風18、19号のせいで散歩コースの調節池も貯水量が多く、水表面積も広大になっていたので、例年になく多くの渡り・移動中の冬鳥が一時的に翅を休めるために立ち寄り、通過していきました。
その群れの中で最初に確認出来たのは、一部がそのまま、この池や近くの用水路で春先までとどまって冬越しをするヒドリガモでした。
10月いっぱいは、池の水位もあまり下がらず、広い水面がありましたので、晴れた日中は、数百羽の水鳥が休んでいるのが観察できました。
ただし、双眼鏡(8倍)でのぞいても素人には判然としない程に距離が遠く、都度、非力な“コンデジ”写真は撮りましたが、そのままにしていました。
その後、10月末から11月初めにかけて行われた池や水路一帯の除草・環境整備作業と、貯留水の放流も段階的に行われた結果、11月中旬には水位も”渇水期”レベルに低下して、水面積はずっと少なくなり、また身を隠すヨシなどもすっかり除草されて見透しも良くなりました。
それに連れて、冬鳥の姿もずっと少なくなって現在に到っています。
かわりに増えたのは釣り人でしょうか。
暖かい陽射しに鏡のような水面。
近くに鳥がいないので、二人の釣り人の傍に座り込んでしばし、釣果観察。
数分おきにヘラブナがつり上げられました。
タモ網ですくい上げてキャッチ、まあまあだな、小さいな、など大きさを確認するとすぐにリリース。楽しそうでした。
特に目新しい冬鳥も確認できず、もっぱら暇つぶしとして、撮りためた写真を整理しようと眺めて見ても、写真が不鮮明なことと基礎知識がないので分からないものも多く、にわか学習なども。
結局よく分からないものもありましたが、間違いも含めて、順次、過去ログとして掲載いたしますので、お許しのほどを。
●カモ類のエクリプスについて(あらためて自分の入門学習メモ):
毎年秋(10月頃から)、カモ類で当地の池や用水路など水辺に渡ってきたばかりの頃の冬鳥の♂は、見かけが地味な♀によく似た「エクリプス」色をしていて、素人にはなかなか判別が出来ません。
しかしカモ類は冬期につがいを形成するため、その後に♂はだんだんエクリプス羽から、♂の種毎に個性的な生殖羽へと換羽が始まり、12月頃までに殆どの♂は生殖羽に換羽して《こうなれば素人でも間違えようがありませんが》つがい(番)形成が始まります。
★エクリプス(エクリプス羽)とは:
カモ類の雄が繁殖期のあと、全身換羽《カモ類に限らずどの鳥でも1年に一回は全身の換羽(羽毛の抜け換わり)をする》で、雌に似た地味な羽になること、またその羽色。
ちなみに辞書を引くと、エクリプス(Eclipse)は天文用語で、日食や月食の“食”で、「おおい隠す」という意味。
なお余談ながら、カモ類以外の多くの鳥では、繁殖期の春頃から換羽する羽(生殖羽)は「夏羽」、 繁殖後に換羽する羽(非生殖羽)は「冬羽」と呼ばれています。
長い前置きのあと、まずはホシハジロから。
●ホシハジロ:
10月中旬から下旬にかけて数十羽の群れで滞留していたようです。
観察したのは既につがい(番)形成期の生殖羽に換羽した個体で、わかりやすかったです。
なお、エクリプス羽の♂は、やはり♀によく似て胸部やお尻の部分なども焦げ茶色(黒色ではない)だそうですが、目は赤色(♀は黒)なので、識別できるようです。
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コメント
恥ずかしながら”昔の”記事をめくってみると「雄が見当たらない」、なんて書いているのもありました。”エクリプス”、など知らなかったからです。よろしくお願いします。
投稿: クロメダカ | 2014年11月25日 (火) 21時31分
少しスッキリしたように思います。
ありがとうございました。
そろそろ冬鳥の季節。木の葉が落ちて鳥も見やすくなりますね。水鳥も来ているのかなあ。鳥を撮影に行ってみようかな・・という気持ちになってきました。
これからもよい刺激を楽しみにしています。
投稿: 五浦 | 2014年11月24日 (月) 21時07分