タネツケバナとミチタネツケバナ(2015/3)
春先の田圃道、まだ大型の雑草が伸び出す前に白い小さな花をつけて、それなりに存在感をアピールしているタネツケバナ(在来種)とミチタネツケバナ(帰化植物/外来種)が目にとまります。
それで、これまで春先のフィールドでブログ穴埋め用に何回か記事にしてきましたが、その違いについて、何かもう一つすっきりしませんでした。
今回、違いを確認することを目的にして、あらためて散歩コース周辺の田圃道で”取材”して見ました。
結論として、特に新しい知見も得られず、こんなことどうでも良いと観念して、タネツケバナのブログ記事としてはこれでお終いにすることに。
●タネツケバナ(在来種)(アブラナ科タネツケバナ属):
湿り気のある田圃道や道ばたにふつうに生える越年草です。
草丈は10~30cm。
茎の下部根本に一周、羽状複葉(根生葉)をつけます。
大きな株になると果実期には根生葉が枯れていることが多いですが、小さな株にはまだ根生葉があります。
根生葉の上部の茎にも葉が付きます。
(以下の画像はクリックで拡大します。)
花は茎の先端の穂状花序に付き、花弁は長さ3~4mmで、雄しべは通常6本です(5本のもの見られます。)
果実(長角果)は棒状で、長さ2cm内外。逆さハの字型に上向きに開いて付くのが特徴です。
また植物体の上部は通常緑色ですが,下部は暗紫色になることが多いです。もちろん例外もあります。
植物体の上部には毛が少ないか、またはありませんが、茎の中間~下部には毛が多いこと、
また葉柄、葉軸にも均一に毛があるなど、全体的に“毛深い”です。
花期は3~5月。
●ミチタネツケバナ(帰化種/外来種):
ヨーロッパから東アジア原産の越年草です。
タネツケバナと同じ環境に並んで生えています。在来のタネツケバナによく似ていて、遠目にはわかりにくいですが、近年、在来種は減少し、大部分はこの外来種といわれているようです。
タネツケバナとの草姿の主な相違点は、果実期にも分厚い座布団のように根生葉がきれいに残っていること。
その真ん中から途中にほとんど葉の付かない茎が立ち上がっているという外観です。
下の画像は舗装道路の割れ目に生えていた一株を引き抜いて見たものです。)
全体的に果実(長角果)が出来る時にも根生葉が枯れずに残存しています。
草原、農道端、田圃で見かけたミチタネツケバナ草姿のいろいろ。
白色の花は茎の先端の穂状花序に付き、花弁の長さ2~3mmと小さ目で、雄しべの数は大部分が4本(5本も見つかりますが)です。
果実(長角果)は茎に沿うように、あまり開かず斜め上向きに付いています。
また茎の途中には葉が(ほとんど)つかないこと、全草が暗紫色を帯びることが多い(例外がありますが)ことなども認められます。
なお若い株の根生葉やその茎下部には毛があります。
(根生葉とその近くの茎下部を除いて)茎にはタネツケバナのような毛はなくつるっとしていますが、茎に付いた葉柄(葉の基部)に毛(脇毛)があることが、タネツケバナとの相違/識別点です。
花期は2~5月と、やや早め。
なお最後に:
手元の植物図鑑によれば、実際にフィールドで観察されるタネツケバナの仲間には、他にもタチタネツケバナ、コタネツケバナ、その他が有ると記載されていますが、それらの詳細は分からず、識別もできません。
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