去りゆく3月/ビロウドツリアブなどのアブ仲間
昨日、今日の5月並という長袖では汗ばむほどの陽気のせいで近所の桜(ソメイヨシノ)は一斉にほぼ満開になりました。
さて、早春開花時には白かった公園のヒサカキの花も既に茶色に変色して、3月の終わりを告げながらも、独特の強い臭いを漂わせていました。
その臭いに誘われて常連のアブやハエの仲間が集まっていました。
●アシブトハナアブ:
名前の通り、後肢が太いアブ。庭にも良くやって来ます。
●ツマグロキンバエ:
例年より少し早めのお出ましのようです。
じっと動かないのでこのアングルしか撮れませんでした。
色々な花によくやって来て蜜や花粉など舐めています。
その他のハエもいましたがスルー。
ところ変わって里山で。
●ビロウドツリアブ:
キジムシロが点々と黄色い花をつけている里山の日当たり斜面に、
毛玉のような1匹の小さなアブが行ったり来たり。
ビロウドツリアブでした。
なぜか特定の小さめの花にご執心の様子。近寄るとすぐ逃げますが、腰を下ろして待ち構えていると戻ってくるのでシャッターチャンス。
ホソヒラタアブなど小さなハナアブ仲間にはホバリングの名手がたくさんいますが、このお方も実に見事な飛行術の持ち主。
小さな黄色い花に近寄って完全に空中静止飛行体勢で(花に止まることはしないで)長い口吻をのばして吸蜜していました。
(残念ながら、横からの画像もほしかったのですが、物理的にこのアングル・位置からしか撮れませんでした。)
(画像はクリックで拡大します。)
名前の由来は、この空中に完全静止しながら蜜を吸うビロードの毛玉姿が、まるで吊り下げられているかのように見えることから。
※ビロウドツリアブ(ビロードツリアブ)(ツリアブ科):
大きさ10mmほど。成虫は早春から、春(3~5月)の間だけ見られる期間限定のアブの仲間です。
丸みのある体は黄褐色の長い毛で覆われて毛玉のようです。脚も細くて長いです。
尖った長い口吻で花の蜜を吸います。
日当たりの良い林縁などに生息し、都市郊外でもよく見られる普通種。
なお幼虫は、土中に巣を作るヒメハナバチなどハナバチ類の幼虫や蛹に寄生して育ちます。
分布は日本各地。
| 固定リンク