スイバ、ギシギシ、イタドリ(2015/5)
この一週間ほどの間に堤防や田圃脇の草むらではギシギシ、スイバが競うように細長い花序を延ばして飛び出し目立つようになり、イタドリもまだ草丈は低いものの大きくなっています。
やはり気候のせいでしょうか。
毎年同じ繰り返しですが、一応記録に。
●スイバ:
雌雄異株・雌雄異花です。
・雌株/雌花:
たまたま見かけたところでは既に、雌株の花は終わり頃で、果実が出来はじめていました。
・コガタルリハムシの幼虫は姿が減って、その代わりに成虫が群れていました。
●イタドリ:
まだ草丈は大きくありません。延びる前に除草されるでしょう。
葉が穴だらけになった株があって、近寄ってみるとハグロハバチの幼虫が葉を囓って穴を開けていていて、葉裏をめくってみると、ころんと丸まってお休み中の姿がありました。
【追って書き】:
ギシギシ、スイバ(スカンポ)、イタドリ(スカンポ)については、地方/地域などによる呼び名や、別名があり、時に紛らわしいです。
例えば次のような記載があります。
※スイバ(酸い葉)(タデ科ギシギシ属):
タデ科の多年草。ギシギシという地方名もある。また、スカンポ、スカンボなどの別名でも呼ばれることもあるが、これらはイタドリの方言名としても用いられることが多い。(Wikipedia)
ブログでは、手元の雑草/野草図鑑なども参照してそれぞれ次のように区別しています。
●ギシギシ(タデ科ギシギシ属;学名Rumex japonicus):
在来種の他に外来種、またそれらの交雑種の複数が分布しているそうですが、素人には分かりません。単純に在来のギシギシとしています。
・道ばたや土手、田畑のあぜなどに最も普通に生える多年草。
茎は直立し高さは60~100cm。(茎の下部につく)根生葉には長い柄があり長楕円形で大きく、長さが10~25cmで叢生しています。
なお茎の上部につく葉は平坦で幅も狭く、無柄です。
葉の縁は波うっています。冬は少し赤みを帯びますが、緑色で枯れません。
5月頃から分枝した茎に多数の淡緑色の細長い円錐花序をつけ始め、小さな花が多数つきます。薄緑色の花が隙間を空けて輪生しています。
果実をとりまく内花被片は花後大きくなり心円形で大きさ5×6mmほどになります。
本種は同じ株に両性花と雌花がつく、雌雄同株・異花です。
なおギシギシはコガタルリハムシの食草で、3~5月には幼虫が群がって(成虫も一部混じっていますが)穴だらけになっています。
果実は3稜形で長さ2.5mm。花期は5~8月、分布は日本各地。
●スイバ(酸葉)(タデ科ギシギシ属;学名Rumex acetosa):
道端や草原、田畑のあぜなどに普通に生える雌雄異株の多年草。
葉や茎に酸味があります。茎は直立し、高さは50~80cm、円柱形でしばしば赤みを帯びることがあります。(ギシギシは赤くならないので区別できます。)
茎の根元に叢生する根生葉には長柄があり、長楕円で、基部は矢じり形。
また茎の中部につく葉は披針状楕円形で基部は茎を抱きます。
花は直径3mmほどで、細長い円錐花序に多数つきます。
花は雄株(雄花)と雌株(雌花)で、それぞれ異なります。
花期は4~5月が中心ですが、8月頃まで見られます。分布は日本各地。
●イタドリ(タデ科イタドリ属、学名Reynoutria japonica Houtt):
道端、野原、山地林縁などのいたるところに普通に生え、草丈50~180cmになる大型で雌雄異株の多年草です。
標高の高い、また水分の乏しいところにも見られます。
旺盛な生活力は太い地下茎のためであり、崩落地などでいち早く群落を形成するパイオニア植物にもなります。
春の新芽のころには茎は柔らかく、折り取るとポコンと音がし、食べると含まれているシュウ酸のためスッパイので「スカンポ」とも呼ばれています。
初夏の頃から茎頂に円錐状花穂をつけて、白色~淡緑色の小花を多数つけます。
雌雄異株で、雄花と雌花は別の株につきます。
雄花は長いおしべが花弁の間から飛び出しており、雌花はめしべよりも花弁の方が大きいです。
なお、花の色にはさまざまな段階があるようで、花の色が紅色を帯びるものはベニイタドリ(名月草)と呼ばれています。
花期は7~10月、分布は北海道西部以南の日本各地。
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