アカボシゴマダラ産卵、孵化観察記(2015/9/19~30)
色々な感慨を残しながら、9月が過ぎ去っていきます。
雑事での締めくくりです。(長たらしいです.(^_^;))
●アカボシゴマダラ産卵、孵化観察記(2015/9/19~30)
過日、庭にアカボシゴマダラが飛来して、産卵していきました。
既に記事upしましたが、その後の追加を記録したものです。
一部は先の当該記事に重複しています。
①幼虫(a)
*1日目(2015.9.19)産卵日です。
鉢植え(ただし空鉢に自生した苗木の)エノキの小木に、アカボシゴマダラが飛来して産卵。
1個の緑色の卵を確認してから、
観察開始。その後の経過を以下に記録しました。
*5日目(9/24):
卵の上半分ほどの色が茶色に見えるようになる。夜から雨。
*7日目(9/26):
天気は雨。少し色が濃くなったが大きな変化はなさそうでした。
なお茶色に見えたのは幼虫の頭部だったようです。
*8日目(9/27;中秋の名月):
・幼虫(a)が孵化しました。
午後1時半頃のぞいてみると、卵が無くなっていました。
前日の雨降りで、はずれて無くなったかと思ったのでしたが、しばらく周囲を凝視していたところ、すぐ脇の若葉の先端に、孵化した幼虫がくっついているのに気がついたものです。
(画像はクリックで拡大。)
・体長3.5mmほど、頭が不釣り合いに大きな茶色で、淡色の体に小さな刺がたくさん生えている、紛れもないアカボシゴマダラの幼虫誕生でした。
なお、卵の抜け殻の一部は幼虫に食べられているようです。
写真を撮りながら見ていると、周辺の葉上に大きさ2mmほどの小さなアカアリも歩き回っていて、時折幼虫にぶつかりそうなところまでやって来ますが、幼虫が頭を持ち上げて威嚇?し、襲うようなことはありません。
(この後も、このようなことはよく見られました。)
(なお余談ながら、庭に小さなアカアリの巣があり、時には文字通り数メートルの”長蛇の列”をなして動き回っているのを目にします。
地面のみならず門扉の上まで行列を作られるとさすがに目に余るため、ホームセンターでアリ駆除剤を買ってきて、通り道に散布したりしています。
かなり大量に撒いておいても数日ですぐ無くなりますから、”巣に持ち帰りで、巣を全滅させる”、という効能どおりになっているのかどうか。
ともかくしばらく見えなくなりますが、完全に居なくなることはありません)。
★余談のついでに:
アリが歩き回っているのでアブラムシがいるかと、エノキの枝を持ち上げて葉裏を覗いてみると、案の定、ところどころの小枝に集中して、真っ白な綿毛に包まれたエノキワタアブラムシがついていました。
アリとの因果関係は良くは分かりませんが、無縁では無いのでしょう。
一部の枝を切り取り観察確認。(後日、別記録に。)
*9日目(9/28):
孵化1日経過後、偶然でしたが、幼虫(a)が葉先の“定位置”から同じ葉の上部を囓りに移動して、摂食後、定位置まで戻る行動を観察しました。
※また、少し離れた下部の枝に、別の2匹目幼虫(b)がいるのに気がつきました。
同じような大きさで、兄弟でしょう。
(なお、この後、3匹目幼虫(c)、更に4匹目幼虫(d)も見つけることになりましたので、画像はそれぞれ別に項をあらため掲載します。)
*10日目(9/29):
ふ化後2日目の幼虫(a)で、居たのは定位置でしたが、隣の葉に食み跡があり、そこまで移動して摂食行動をしていたようです。
そして少し大きくなったように見え、体上半分ほどに、緑色が透けて見えていました。
※また別に朝方、更に奥の枝に、3匹目幼虫(c)がいるのに気がつきました。
*11日目(9/30):
ふ化後3日目の幼虫(a)は定位置に居ました。
隣接する葉の食み跡は更に広がり、また体も明らかに大きくなっているようでした。
(画像はクリックで拡大します。)
※また4匹目幼虫(d)発見:
当日は前夜半から未明までかなり強い風が吹いていました。
朝は少し寒かったようです。
昼前、落ち葉の掃除をしてからまだ少しの風に揺れ続ける枝先を順にのぞいていた時、別の枝に4匹目の幼虫(d)が、全く食み跡のない葉にいるのを見つけました。
何処か別の葉で孵化して摂食行動で移動してきたところだったのでしょうか。
静止しないでずっと体を動かしていました。
② 2匹目幼虫(b)発見経過記録:
・9/28、幼虫(b)発見。
・9/30、隣の葉にも食み跡がありました。
(画像はクリックで拡大します。)
③ 3匹目幼虫(c):発見経過記録:
・9/29、食み跡の無い葉上で幼虫(c)発見。移動中だったようです。
・9/30 定位置に戻っていました。広く移動しながら葉を食べている様子が分かりました。
④ 4匹目幼虫(d)発見:
・9/30、付近に食み跡の無い葉上にいました。移動中だったのでしょう。
以上のように、これまでの観察で、アカボシゴマダラが産卵にやって来た際、競合しないように分散して、少なくとも4個の卵を産んでいったことがわかりました。
なお、既に何回か記事にしましたが、当地でもすっかり定着しているアカボシゴマダラは、国内移入分布による外来種で、歓迎されているわけではありません。
国立環境研究所、侵入生物データベース*に記載された防除方法としては、捕獲,啓蒙・啓発活動による移入・拡散防止とされています。*(https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/60400.html )
我が家の、庭に放置していた鉢に自生したエノキ苗木幼木だけでは、どう見ても今回見かけた幼虫がこのまま順調に越冬できる条件/環境は全くありません。さらには来春以降に羽化する気遣いはまずありません。
そのうち自然淘汰されてしまうと思いますので、これ以上観察も、手出しもしませんが、困った事です。
アカボシゴマダラのせいではありません。ニンゲンのしたことですから。
※参考までに、これまでフィールドで見かけた終齢幼虫の例です。(再掲)
https://kuromedaka-saitama.cocolog-nifty.com/blog/2014/04/20144-fe51.html
★本種は多化性(年に数回成虫が発生する)だそうですが、一般的には、前年産まれた幼虫は、エノキから降りて落ち葉などの中に潜って越冬し、春先から初夏に再びエノキに上って蛹になり、羽化して発生します。
(完)