オニグルミ結実
過去ログになりましたが、酷暑が続いていた8月の堤防沿いで。
水田地帯を流れる川筋両岸堤防の片側路上は未舗装で、反対側の堤防沿いには数軒の農家が点在しているため路上は舗装され、生活道路にもなっています。
この堤防路上や斜面には除草作業などの攪乱により年々色々な雑草/植物が入れ替わり生育し、また多くはないもののヤナギなど湿地や水辺に生える樹木も自生しています。
夏季にヨシをはじめブタクサやセイバンモロコシなどの大型雑草が繁茂する期間中は散歩などの歩行は出来なくなります。
堤防維持管理のための年間に数回、定期的な除草作業が行われていて、除草作業が行われた後や、雑草の勢いが止まる晩秋から春までは、犬連れの散歩など地域の住人には格好の散歩コースにもなっています。
この堤防斜面の水際には、誰の関心も引かないようですが、20数年来、1本のオニグルミが伐採されずに立っています。
余談ながら同じ流域の近くに複数自生していたオニグルミは伐採されて、現在この1本だけが残っています。
●8月の暑い最中、自転車散歩に出かけた舗装道路側から、雑草の茂る対岸水際から立ち上がったオニグルミが、『すっかり葉が無くなってしまった』枝先に、これまで見たこともないほど多量の実をぶら下げている様子に驚いて撮った画像です。
毎年、初夏に新葉が展開し花が咲いた後にきまって毛虫が大発生して、大型の羽状複葉も太い葉軸だけを残して食べ尽くされ、残りの葉はすっかり茶枯れて萎縮し、見るも無惨な姿を曝すようになり、また大型雑草も伸びてくるため散歩の人も近づかなくなるのです。
望遠で覗いてみると、川面上まで伸びて垂れ下がった枝先から落下したオニグルミが数個、水面に留まって浮いているのも見えました。
こうして流れて行き、流域のたどり着いたところで発芽して分布を広げていくのでしょうね。
(余談ながら、早々と一旦丸坊主になったオニぐるもの樹も、その後しばらくすると再び新葉が芽吹いて、やがて青々と新緑のような葉が展開してきて、野生の逞しさも感じます。)
なお、9月初旬、雨の合間をぬって除草作業がはじまったようですが、不順な天候のせいで思うようには進まないようです。
※あらためて
●オニグルミ(クルミ科クルミ属):
・山地の沢沿いや平地の川沿いなどでよく見られる落葉高木です。
「冬芽と葉痕・維管束痕」では人気樹です。
大型の奇数羽状複葉で、初夏の開花時期には垂れ下がった雄花序と共によく目立ち、その存在がすぐわかります。
・花期は5~6月ごろ。雌雄同株で(雌雄異花)風媒花。葉の開出とほぼ同時に開花します。
雌花は、頂芽から直立した穂状の花序につきます。褐毛が密生し、苞の中から赤い花柱が出るため、遠目には赤い花に見えます。
雄花序は長さ10~30cmで、前年の葉腋から垂れ下がり、多数の雄花が下向きに開いてよく目立ちます。
・夏の終わり頃には枝先から苞を含む緑色で、大きさ3cmほどの果実が多数ついた穂状果穂が垂れ下がります。
9~10月に熟しますが、熟しても破れることなく落果します。
・種子(仁)は食べられますが市販されるクルミに比較してやや小さく、殻が厚めで非常に堅いので、仁を綺麗に取り出すのは容易ではありません。
その分、味は濃厚で保存性が良く、道の駅などで販売されていることもあります。
山地ではリスや野ネズミの大事な食糧にもなっています。
・分布は日本各地。
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