アカボシゴマダラ幼虫の観察【続報】(2015/10)
霎時施(コサメトキドキフル)次侯。早いものです。
〈以下は単なる記録のための冗長な記録ですので読み飛ばして下さい。〉
庭に放置していた鉢土にエノキが自生して幼木になり、数年経ちますが、夏季の乾燥で枯れそうになりながらも持ちこたえています。
そんな幼木に、9月19日アカボシゴマダラが飛来して産卵していきました。
その時、産卵された卵を見つけたのは1個だけでしたが、その後4匹の幼虫、個体(a),(b),(c),(d)が見つかりましたので、同時に4個は産んでいったようでした。
そして既に9月19日の産卵から孵化までの経過を、9月30日まで観察して記録にしました。
その後については特別の関心も無かったので、写真だけ思いつきで撮って放置していましたが、片付かないのであらためて整理して、今回続報の記録としました。
【まとめ】
結論として4匹の幼虫はすべて越冬できるまでに育つこと無く、10月中旬までの間に、死んだり行方不明になったりして、アカボシゴマダラが繁殖するということにはなりませんでした。
・幼虫(d)は1回も脱皮すること無く、10月初旬に死にました。
・幼虫(c)は一番早く1回目の脱皮をして、他より広い範囲を移動して葉を食べていましたが、10月中旬に行方不明になりました。
・幼虫(b)は、幼虫cの1日後に1回目の脱皮をしました。
しばらく元気な姿を見ていましたが、途上の10月中旬、移動した先で死んでいるのを確認しました。
・幼虫(a)は(b同様)(c)に1日遅れで1回目の脱皮を観察しました。
その後、一番長い間生存が確認できましたが、こちらもまた、10月中旬の間に所在不明になりました。
【記録】
●幼虫a:
10月1日:
定位置(○印)にいた幼虫a:
10月2日:
(幼虫cに1日遅れて)1回目の脱皮をしました。
ちょうど孵化したばかりだったようで、頭部の”黒い帽子”がはずれ落ちて、角が伸びて行きました。下の白いのは抜け殻です。
10月3日:
”定位置”にいた幼虫。体長は8mmほどでした。
10月6日:
定位置から左隣にある葉に移動して、盛んに摂食していました。
10月13日:
定位置の葉に、.向きを変えて静止していました。
10月18日:
乾いた同じ葉の,同じ位置に静止していましたが、これが最後で、翌日以降は周辺を探してみても姿が見えず、行方不明になりました。
10月2日:
(幼虫(a)同様)幼虫(c)に1日遅れて脱皮していました。
10月12日:
定位置付近に姿が見えず、周辺を探したところ別の枝にいて動かないのを見つけました。
そして絶命していることが分かりました。
なお、周辺の葉表には多数の赤アリの仲間*(大きさ2.5~3.0mm、種名は分かりません)がいて、葉裏にはエノキワタアブラムシが繁殖していました。
●幼虫c:
10月1日:
一番早く脱皮して、頭部に角が生えた幼虫らしい姿になっていました。
10月12日:
定位置にいましたが、頭部の角にエノキワタアブラムシが分泌する綿のような白い異物が付着していました。
周辺の葉裏にエノキワタアブラムシ繁殖しています。
10月13日:
別の枝に移動して静止していました。角には白い異物が付いたままでした。
そして翌日以降は姿が見えなくなり、そのまま行方不明に。
10月3日:
定位置から移動していました。脱皮はしていません。
周辺の葉には赤アリが群れていました。葉裏にはエノキワタアブラムシが繁殖しています。
10月6日:
先に見かけたところで一回も脱皮すること無く、そのまま絶命したようでした。
※なお、エノキはエノキワタアブラムシによる被害が徐々に拡大し、かなりの葉が黄変、萎縮、落葉するようになり、また小さな赤アリが多数這い回る状況になっていました。
このような環境が、幼虫の生残に何らかの影響を及ぼしたかどうかはまったく分かりません。
(完)
*体色が赤~茶色のアリの見分け方参考:
http://www.city.tokai.aichi.jp/secure/30920/miwakekata.pdf
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