マテバシイのどんぐりコーヒー(2015/10)
●マテバシイで作るどんぐり100%コーヒー:
(参照レシピ: http://cookpad.com/recipe/1616228 )
散歩コースの公園には大木に育った複数の植栽マテバシイがあります。
そして今シーズンもたくさんの実をつけて、9月中旬の記録的豪雨のあとくらいから、大きなドングリが大量に舗装遊歩道にも落ちてきて、うっかり踏みつけると滑るほどに。
管理人の方が定期的に箒で掃き集めて掃除されていましたが、追いつかないほどでした。
※マテバシイ(ブナ科マテバシイ属):
「日本固有種」。雌雄同株の常緑の高木で高さ15m、直径60cmにもなります。
果実は「ドングリ」ですが、同じように果実がドングリのカシの仲間やコナラ、クヌギなどのコナラ属とは別の、マテバシイ属に分類されています。
葉は革質で大きく、やや細身で葉先の方が広い狭楕円形で、葉の縁はなめらかです。
初夏、上部の葉腋に長さ10cm弱の細長いブラシ状の雄花序と、別に雌花序をつけます。
果実は、いわゆる「ドングリ」で、長さ2~3cm前後の紡錘型で、翌年の秋に熟します。
果実(ドングリ)に渋がなく、そのまま食用にできることから、古来「救荒食物」としても利用され、縄文時代の遺跡からもマテバシイの果実(どんぐり)が発見されるそうです。
自然分布は九州南部から南西諸島だそうですが、日本各地に公園樹・街路樹としても植栽されています。
そこで9月下旬、レジ袋をもってドングリ集めに。
樹冠の下に落ちていて、泥はねで汚れていないきれいなものを拾い集めました。
10分足らずの間に1.6kgほども採れました。
そしてドングリ100%のどんぐりコーヒーを作ってみることに。
①拾い集めてきたドングリを洗い桶にいれて十分水洗。
水に浮くものや、外皮の汚れが取れないもの、小さいものなどを捨てます。
残りを新聞紙に広げてベランダで天日乾燥。
数日後、きれいに乾いたドングリが1.4kgほど有りました。(写真上)
とてもこんなには要らないので、最小表示1gの(デジタル)キッチンスケールで5g/1個以上のドングリを選別したら、約600gになりました。(→110個くらいでしょうか)
(→結果として、外観が大きくてきれいな、しっかりした重みのあるものを選びながら100個ほども拾えば十分、ということでした。)
②皮むき
台所にあった「くるみ割り器・ぎんなん割兼用 クルミ割り」を使用。
縦方向に挟んで割るときわめて簡単に割れて、渋皮もとれたきれいな状態で転がり出てくるので楽でした。
③選別:
中にはドングリが湿り気を帯び、全面に薄く渋皮が貼り付いているものもあり、割れた皮などでこすれば剥がれるものの面倒なので、廃棄処分に。
また一部が黒ずんでいたりしたものも捨てました。
・こうして、殻のとれたきれいなドングリ約350gが得られました。
(その一部の写真です。)
④粉砕:
ついで、フードプロセッサーで一度に全量(350g) 粉砕処理。
いとも簡単にきれいな細粒になりました。
念のため金網ザルで篩いましたが、全通しました。
⑤焙煎:
・フライパンに移して、しゃもじで混ぜながらゆっくりと中火~弱火で焙煎。
・“焼きドングリ”の香ばしい匂いが立ってきます。
褐色になった頃合いを見計らって焙煎終了。所要時間は20分少々でした。
・放冷後、あり合わせのガラス瓶に収容。
出来上がりのどんぐりコーヒーコー粉末は200g丁度くらいになりました。
(殻とり生どんぐり約350gから。)
⑥どんぐりコーヒー:
・粉末10gをティーバッグにいれ、500mlの水を加えて、冷水から煮出します。
沸騰後、さらに緩やかに沸騰10分で出来上がりとしました。
・雑味やクセはまったくない、コーヒー色の”穏やかなどんぐり風味“の100%どんぐりコーヒーでした。
もちろん本来のコーヒーとは別物で、味は”はと麦茶”に近いでしょうか。
好みによりアレンジして楽しめそうです。
(なお余談ながら、マテバシイ、スダジイなどは渋みの素のタンニンが少なく、そのままレンジでチンしても食べられますが、コナラ類(コナラ、アラカシ、クヌギなど)のドングリはタンニン含量が多く、渋抜きしないとそのままでは食べられないので、どんぐりコーヒーには不向きです。)
(余談のついでに):
マテバシイどんぐりの成分分析例がありました。
→
http://www.pref.tottori.lg.jp/secure/76407/16_26.pdf
(更に余談で、風味はコーヒーに近い、よく知られた「タンポポコーヒー」があります。
代用”カフェインレス・コーヒー”として、こちらは市販品もありますね。
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