2016年2月
2016年2月29日 (月)
2016年2月28日 (日)
ヨシガモ(2016/2)
過去ログになりましたが、去る2月12日午後2時過ぎの池で。
冬晴れで、さざ波の立つ弱い風も吹いていて、”置物”になりきった釣り人が一人、風景に同化していました。
肉眼では水面には鳥の影は見当たりません。
双眼鏡で、風避けになる対岸の岸辺をのぞいてみると、常連のカルガモ、コガモ、ヒドリガモの姿がありました。
いずれも同じような“居眠り“体勢で頭を羽の間に埋めて眠っている個体ばかりで、外観としては茶色っぽい暗色のかたまりに見えて、はじめは体の大小くらいしか認識していませんでした。
●ヨシガモ(番)一組
しかし繰り返し双眼鏡を覗いているうちに、中で、どうも少し違うかな?と気になる個体が1羽いるのが目にとまり、しばらく観察集中。
・そして時折、暗色に見えていた頭部が動く瞬間に、鮮やかな金属光沢の緑色に輝くのが確認できて、それでヨシガモ♂と分かりました。
・また、傍らにいた地味な茶色の個体が♀だったことも、後で気がつきました。
番でお休み中だったのです。
・30分ほど飽きずに見ていました。
ヒドリガモ、コガモなどが泳いで近寄ってくるなど、近くで何かの気配を察知した時に、♂だけが警戒のため頭を持ち上げるか、立ち上がる程度の動きをしましたが、♀はまったく動く様子はありませんでした。
■しかしその間ただ一度だけ、♂♀共に動いて水の中に下りることがありました。
その訳は、近くの岸辺に降り立ったコサギがゆっくり歩いてすぐ傍に寄って来たからでした。
・♂がゆっくり水に下り、それに続いて♀もいっしょに水面に下りました。
(近くにいたヒドリガモ、コガモも同様に移動。)
よほど眠かったのでしょう。
●余談:
ナポレオンハットのカモ:
ヨシガモの♂がこの愛称で呼ばれるのは、「後頭部から伸びて張りだした金属光沢のある緑色の冠羽、同じく緑色の頭部、そして後頭部から頭央部にかけて茶色のバンド、さらに黒い嘴の先端まで」、頭部全体としての形が、”ナポレオンハット”のように見えるからですね。
※ヨシガモ(カモ科マガモ属):
大きさ:♂54cm、♀48cmは、国内で越冬するカモ類の中では比較的数が少ない方に入るそうです。
拙ブログでも当地では過去に一回だけ観察の記録があり、それ以来2年ぶり、2度目の観察でした。
なお観察できたのは当日限りでした。
2016年2月27日 (土)
ホシハジロ&ミコアイサ♀
旧聞ですが、記録のための記録です。
■ 2月8日午前中、曇天で冷たい強風が吹いていた池で。
②ホシハジロ:
・風よけになる岸辺に上がってカルガモやコガモなどが休んでいた傍に、お休み中のホシハジロが4羽混じっているのを双眼鏡で見つけました。今シーズン2度目です。
観察していてもお休みのままで動く気配がまったくないのでその場を離れました。
・その後15分ぐらい経過してから、池の奥に4羽が泳いで行くのを見つけました。
・上空に双発ヘリコプターの機影があり、その音に驚いて泳ぎだしたようでした。
・ミコアイサ発見:
暇つぶしに水際に沿って視野を移動して行くと、ずっと離れたところに、なんとミコアイサの♀が1羽やはりじっと佇んでいるのを発見しました。
2月では初めての少ないチャンスでした。
・少し間をおいてから、もう一度双眼鏡でのぞいてみるとそこにはもう姿がありません。
そしてその近くに泳ぎ出していた2羽のホシハジロが目に入りました。
・遠くに釣り人の姿が現れたのでした。そしてそれをいち早く察知したミコアイサが飛び去り、ホシハジロも4羽ともに遠くに泳ぎ去って行ったのでした。
やはり神経質な鳥たちには、落ち着いて休息・安眠できない池の環境のようです。
■ 翌9日の午前中、天気快晴で暖かく、時折風が吹くものの、殆ど無風に近い池の端でした。
ヒドリガモ、カルガモ、コガモなどのカモ達はすべて水面に浮かんでいました。
そして昨日見かけたホシハジロのうち2羽と、ミコアイサ♀1羽がまだいるのも分かりました。
・ホシハジロは見ていた限り、水面に漂いながらほとんどお休みモード。
・一方でミコアイサは、その近くに浮遊しながら盛んに羽繕いを繰り返しているというリラックスモードでした。
それにしてもミコアイサのよく浮かぶこと。水面を転げ回っている感じでした。
それぞれ、長旅の移動に備えて体力温存でしょうか。
なおその後にはいずれも姿は無くなりました。
2016年2月26日 (金)
キンクロハジロ(2016/2)
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★冬鳥旅立ち。
先週のことですが、長野県安曇野市の犀川白鳥湖(豊科田沢)や御宝田遊水池(明科中川手)で越冬しているコハクチョウの北帰行が始まったというニュース。(2月19日信濃毎日新聞)
また新潟県阿賀野市にある、オオハクチョウやコハクチョウの飛来地として知られるラムサール条約登録湿地の瓢湖からも、ハクチョウたちの北帰行が始まったという便りも聞こえて来ました。
春もそこまで来ています。
以下、2月に散歩コースの池で見かけた、移動中に立ち寄って行った冬鳥の記録。
①キンクロハジロ:
昨年11月に一度だけ1羽のキンクロハジロ?らしき姿を見かけていました。
その後2月7日のお昼前、冬晴れのもと強風で波立つ池に、コガモの小さな群れに混じってキンクロハジロ(番)一組が飛来しているのを確認しました。
今シーズン、キンクロハジロが確認できたのはこれが初めてで、また最後でした。
移動の途中で、文字通り一時休憩に降り立っただけのようです。
キンクロハジロ♂の後頭部にはポニーテールのような長い冠羽があり(写真左)、♀にもごく短いものがあります(写真右。)アングルにも寄りますが見分けがつくことがあります。
(画像はクリックで拡大します。)
翌日以降に姿はありませんでした。
-次ページ②「ホシハジロ」へ-
2016年2月25日 (木)
地霧
朝、雨戸を開けてみると、天気予報の“ところに寄った”ため、深夜から夜明け前にかけて湿雪が降り、舗装道路以外に少し積もっていました。
朝食前、晴れて殆ど無風状態の田圃道まで出てみると、地表に近いところ一面に、今までに無かったほどはっきりとした「地霧」が発生していました。
放射冷却によるものなのでしょうか。
めったに見られないので記念写真撮りに。
地霧の帯の真ん中辺りに人影(↑)が写っていました。
(下の写真を撮っている時に奥から手前に、犬連れで歩いてきた人でした。)
ついでに寄り道。
●カワヅザクラ:
気温の”乱高下”のせいで、早く開いた花は傷んでいました。
2016年2月22日 (月)
十日町雪まつり(第67回)
2016.2.22(土)、はじめて、日帰りの駆け足で、『十日町雪まつり(第67回)』の見学に行ってきました。
当日の気温は高めで雨が心配でしたが、幸い見学中には雨にはならず、帰路についてから本降りの雨に。
今年は暖冬のせいで豪雪地帯でも雪が少なく、「雪の芸術作品」(雪像)の制作も当初の計画数より少なくなったということでした。
広域に及ぶ会場は車でなければ、短時間ではとても回りきれません。
メインイベントの「雪上カーニバル」会場に到着したのが曇天の午後4時過ぎ。
イベントが始まる(午後6時)前の雰囲気を垣間見るだけにして、そそくさと徒歩で見学できる範囲の雪像巡りに。
2万4000歩ほど歩きました。
街中には地元の人々の熱気、心意気が伝わってくる雰囲気・情景があふれていました。
・十日町市名物ちんころ:
:子犬をかたどったちいさなシンコ細工の縁起菓子。
以下は十日町雪まつり公式ホームページ( http://snowfes.jp/ ) からメモ。
★第67回十日町雪まつり:(平成28年2月19日(金)~21日(日)
十日町雪まつりは今から約66年前の昭和25年2月4日に開催。
第1回の雪まつりは十日町文化協会が主催。
雪の芸術展や雪具供養の火の周りで十日町小唄を踊る雪中カーニバルやスキー駅伝大会などが主なイベント内容で、住民が主体となって雪まつりを行ったことから「現代雪まつり発祥の地」として知られた。
十日町雪まつりの魅力は、市民手づくりの「雪の芸術作品」、温かいおもてなしが人気の「おまつりひろば」、音と光のスペクタクル「雪上カーニバル」。
追記:
第67回「十日町雪まつり」の雪上カーニバルを中心としたテレビ放映が3月5日、午後2時からBS—TBSで行われます。
2016年2月21日 (日)
ローカルニュース「平地の3県境」
先日(2月10日)のローカルニュースで。
これまで正確な位置が分からなかった栃木、群馬、埼玉に接する「平地の3県境」が、関係者の合同測量調査で確定し、目印としてコンクリート製のくいが入れられた。
県境が平地にあるのは全国的にも珍しく、今後、歴史的経過などを紹介した観光客向けの看板の設置を検討している、という。
先に渡良瀬遊水池までウオーキングに行ったついでに現地に立ち寄ってきました。
「道の駅きたかわべ」から徒歩で5分たらずの近くでした。
(写真は2016.2.18時点)
「日本には40ヶ所以上の「3県境」がありますが、平地にあるここは大変貴重な存在と言われています。
道の駅きたかわべ徒歩4分、手打ちそば、新鮮野菜が人気です」などの案内表示立て札。
※余談:
「平地の3県境」のことはこれまでまったく知りませんでした。
初めてカーナビを付けて埼玉~栃木を往復する際に、渡良瀬遊水地の縁を走る県道佐野古河線を(埼玉側から)走ると、この間のおよそ8kmほどの区間で、カーナビから、“茨城県に入りました→埼玉県に入りました→栃木県に入りました→群馬県に入りました→埼玉県に入りました→群馬県に入りました→栃木県に入りました”と、頻繁に(確か7回ほどだったか?)、時に数秒間で、案内音声が流れてきて、何だこれは!とびっくりしたもので、県境が複雑に入り組んでいる地域であることだけは承知していましたが。
2016年2月20日 (土)
ベニマシコ(冬鳥)
冬晴れの1日、ウオーキングに出かけた渡良瀬遊水池にて。
広いヨシ原や谷中湖周辺をてくてく歩いて、のんびりウオーキングを終えて駐車場に戻る途中の芝草地に、少数のベニマシコが降りていました。
座り込んで写真撮りに。
樹木が影を落としていて、日陰と日当たりが混じる背景で撮りにくかったのですが、ともかく撮れたのは初めて。
●ベニマシコ(漂鳥/冬鳥)
数羽のベニマシコが、地面に落ちている”煎餅”のようなアキニレの翼果の実(種)をついばんでいました。
昨年秋に結実したアキニレの実はもう枝には殆ど残っていないようで、樹冠下の草地面に落ちたものを丹念に探してはついばんでいました。
種を包み込むように付いている薄い皮の翼を揉むように嘴で取り除き、中の小さな種を食べています。
余談ですが、以前には、近くの水路縁に自生した数本のアキニレの大木に、アトリが群れて果実をついばむのを観察したことがあります。
※ベニマシコ(アトリ科ベニマシコ属):
全長15cm。雄は赤い羽色が人気の野鳥の一つですが、雌は地味です。
多くは冬鳥として渡来。また北海道、青森県下北半島で繁殖(夏鳥)し、冬は,暖地へ移動して越冬する。
食性は主に草木の種子などで、繁殖期には昆虫も補食。
2016年2月19日 (金)
シメ(冬鳥)
冬晴れの1日、ウオーキングに出かけた渡良瀬遊水池にて。
●シメ(冬鳥):
樹上にいた数羽がぱらぱらと草地上に降り立って、時折上空を気にしながらも果実などを探して歩きながら採餌しているようでした。
少し遠くて何を口にしているのかはっきり分かりませんでした。
※シメ(アトリ科):
全長19cm。太いくちばしに短い尾が特徴的。
多くは冬鳥として渡来。少数が春夏に北海道の林で繁殖、秋冬は本州以南の林の周辺に移動。
食性は雑食で、主食は植物の種子。太いクチバシで堅い木の種子でも割って食べる。繁殖期には甲虫類などもついばむ。
2016年2月18日 (木)
アトリ(冬鳥)
●アトリ:
冬晴れの日中、里山公園のコナラやクヌギの多い林地で見かけました。
地面に積もった落ち葉をひっくり返しながら餌を探していた数羽が樹上に飛んだところ。
ちょうど見上げた位置が太枝で日陰になったり、枝が被ったりしていましたが、すぐに移動する様子もなかったので、ゆっくり観察できました。
写真の アングルが限定的で確かではありませんが、顔や頭部の黒さから,♂の個体でしょうか。
※アトリ(アトリ科アトリ属):
全長16cm。肩や胸部の羽毛は橙褐色、他に黒い頭、白い腹など。尾はM形。
冬鳥として秋にシベリア方面から渡来。
山麓の林地、また街路樹などにも小さな群れで飛来。
食性は雑食性で果実や植物の種子、また昆虫類などを食べる。
2016年2月17日 (水)
ツグミ、ミミズを捕食
●ツグミ(冬鳥):
*冬晴れの田圃道に、ツグミが一羽。
*トントンとスキップ前進して、
下を見ると、地面の穴にミミズの頭部がチラリと見えた!(黄色マーク)
*穴のミミズ(の頭部)を咥え、一気に引っ張り出す。
地表に引き出されて伸びきった下部の赤っぽく見えている部位が「環帯」で、頭に近い方。
シッポはまだ地面の穴の中。
(画像はクリックで拡大します。)
*咥えられて伸びきったミミズが縮んだので、環帯も抜け出した。
*そうはさせまいと、思い切り引っ張り上げる。これでミミズの体の殆どが引き出されたようだ。
*そのあと、引き出して弱ったミミズを一旦地面に落としてから、
(パソコン画面で原画を確認すると、弱ったミミズの体の大部分は長々と地表に横たわっていて、尻尾の先だけがまだわずかに、穴に残っているように見えた。)
*地面に伸びているミミズを咥えた瞬間、頭を振りながら一気に呑み込んでいった。
*ウップー、という感じでしょうか。見つけてから呑み込むまで24秒でした。
こうして、田圃道や、田起こし作業が行われている田圃、また公園の芝生広場などでミミズを食べる姿が観察されます。
それはともかく、今冬はツグミの数が少ないようです。
2016年2月16日 (火)
2016年2月15日 (月)
ハンノキ開花(2016/2)
■ハンノキ(カバノキ科ハンノキ属):
雌雄同株、雌雄異花の。落葉高木。花期は主に冬期の12~2月頃。
毎年繰りくりかえしの記事です。
湿性地に生えているハンノキが開花していました。
先月中旬には開花は始まっていたようです。
●雄花序/雄花:
はっきりした写真が撮れていませんでしたが、苞(外側のふたのような部分)の付け根から(花被と雄しべからなる雄花の)の雄しべがのぞき、花被は4裂。
雄しべ先端の黒茶色の葯は既にほとんどが開裂していて、中にあった淡黄色の花粉にまみれていました。
●雌花序/雌花:
雄花序に比べるとかなり小さな雌花序です。
枝の先端についた雄花序の下について、短い柄の先に上に突き出すように花が咲きます。
雌花は一層目立たないものです。
●昨年結実した果実
雄花から風に運ばれた花粉が雌花に付着すると結実して、秋に小さな松ぼっくりのような果実が実ります。
種子が落下して無くなった果実は、翌年遅くまで残っています。
ハンノキは近郊の水田地帯にも普通に生えていましたが、昨今は邪魔にされて伐採され、少なくなりました。
2016年2月14日 (日)
トックリバチの巣(抜け殻)
先日、里山公園で見かけたトックリバチの巣の抜け殻です。
直径15mm前後。泥土でできています。
施設境界に設置された金網フェンスの針金を利用して営巣されていたもの。
傍には樹木があって、すぐには目に付きにくい場所にありました。
画面やや斜め下向きに少し持ち上がったところが、短いながら徳利の首で、親バチの出入り口。
完成したトックリの中、天井に卵を1個産みつけた後に、餌となる蛾の幼虫などを詰め込み、土で蓋をして塞いだところです。
そして上の開口部は、なかで育って孵化した成虫が脱出したところです。
今回のトックリにはずいぶんと砂利(砂礫)が混じっているのが特徴的で、付近の土質の特徴でしょうか。
なお、フィールドでも、また自宅屋外でも色々な場所を利用して営巣しているのをこれまでも見かけていましたが、トックリ素材の多くは焼き物に使われるような均質の土が多かったようです。
・自宅で見かけた抜け殻のトックリの一つ。
2016年2月13日 (土)
モンキチョウ初見など(2016/2)
日中の気温が20℃まで上がって、歩いていると汗ばむ陽気になった1日。
早い春を感じた昆虫たちが草原に動き出していました。
●ナナホシテントウ:
オオイヌノフグリが一斉に青いお皿のような花を開いた草地に、ナナホシテントウが1匹、忙しそうに歩き回り、
●ナミホシヒラタアブ:
その近くを1匹、ナミホシヒラタアブも羽音を立てながら飛びまわっていました。
●モンキチョウ(初見):
細断されて枯れたヨシ原には今シーズン初見のモンキチョウが1匹、ひらひら飛んでいました。
地面に下りて暖をとる様子のワンショット。
誕生したばかりと思われるきれいな個体でした。
なお余談ながら、過去ログで最も早いモンキチョウ初見の記録は2010.1.30(撮影日は2010.1.27)でした。
2016年2月12日 (金)
ハシビロガモ(2016/2)
散歩コースのあまりきれいではない小さな川(用水路)には日常的に、ヒドリガモが群れでやって来ます。
ヒドリガモの基本的な食性は植物食(水生昆虫や軟体動物を食べることもあります)で、日当たりの良い川筋の堤防斜面に生えたイネ科雑草の新芽/新葉を採食するためです。
(1月初旬の草地)
そのせいで、今頃の斜面は芝刈り機で手入れされたようにきれいな草地になっています。
(2月中旬)
●ハシビロガモ4羽発見(1月15日):
その様な折柄、穏やかな冬晴れになった1月15日の午後2時過ぎ、通りかかった川筋の下流側に、いつものようにヒドリガモが川に群れていました。
そして、その中に逆光気味で見分けが難しかったのですが、1羽のハシビロガモ♂が紛れているのに気がつきました。(○印)
(なお、この時点ではそれ以外のハシビロガモには気がつきませんでした。)
緩やかながら流れのある小さな川ですから、休息などではなく、もっぱら採餌・採食が目的で短時間降り立ち、採餌しながら通過していくだけで長居することはありません。
ただ、広い池などで休息していると遠くてわかりにくいですが、小さな川では距離がぐんと近くになるため、撮影には絶好のチャンスです。
もっともその様な機会は大変少ないのですが。
●ハシビロガモ♂(冬鳥)(カモ科マガモ属):
冬鳥として湖沼や河川などに飛来します。(北海道では一部繁殖するそうです)。
カルガモよりやや小さく 全長♂51cm、(♀43cm)。
♂の目(虹彩)は黄色で、おしゃれな羽衣は白い胸、赤茶色の腹、そして雨おおい羽は緑青味をおびたきれいなもの。
ただ、名前のとおりシャベルのような形の、長めで横幅が広い嘴がなんともアンバランスな印象。
素人にもわかりやすくて良いのですが。
大きな嘴を水面に漬けて、ぐるぐると水面上を回りながら水中の有機物(水草の種やプランクトンなど)を水ごと飲み込み、幅の広い嘴の内側の縁にあるくし歯突起(板歯)で濾過して食べ、水を排出しています。
ちょうどこの時、犬連れの散歩人がやって来て、突然犬が川に向かって猛然とダッシュ。
犬の鎖を離したようでした。
“鳥は捕まえられないよ~”等と、先に走っていく犬を追いながら、犬、人、鳥、そして風と共に去って行きました。
それから10分ほど後、一度は飛び立った鳥たちが、今度は上流側に再び舞い降りてきました。
そして上流側に向かって泳いで行くのを追っかけに。
光の向きも撮影には好条件になって、「お犬様」のおかげです。
●ハシビロガモ番(つがい):
最初に目にしたのはカルガモ集団と少し離れて泳いでいた一組の番(つがい)でした。
多分、最初に♂を見かけた時から、一緒に近くにいたのでしょうね。
暫くして、また上流から2羽の成鳥♀が下流に向かって連れだってやってくるのを見つけました。
・画面左上2羽が、こちらに向かってきた♀成鳥、右の2羽が上流に向かって行く番。その下の群れはカルガモ。
そして、番に合流すると、4羽は上流に向けてカルガモの群れから離れて泳ぎ去り、やがて飛び去っていきました。
以上、実質の観察時間は数分間の短いものでした。一期一会です。
■今冬シーズン2回目のハシビロガモ♂1羽(2月12日):
そして本日(2月12日)、同じ川でやはり午後3時前、ポツンと1羽だけ大きな嘴が分かる鳥の影があり、近寄ってみると,やはり移動中に立ち寄ったハシビロガモでした。
嘴で岸辺近くの水面を浚うようにして採餌していました。
明るいところで確認した姿は、サブ・エクリプス(頭や、他の一部を換羽して、繁殖羽に成りかけの状態)の♂と思われる個体でした。
これが最後の観察になるかも知れません。
暖冬のため、冬鳥たちも北帰行に向けて、旅立ちの集合地への移動も早めになっているのでしょうか。
2016年2月11日 (木)
ザゼンソウ、ユキワリソウ(ミスミソウ)
近くの公園まで車でぶらりと出かけました。
出足も遅く、また好天に恵まれた祝日とあって、駐車場はすでに満車。
少し遠い駐車場を探すのに一苦労。
その割には、ハイキングコースの方は、まだ花の季節には少し早く、閑散としていました。
●ザゼンソウ:
ミニ湿原にはザゼンソウが花を付けはじめていました。
花弁のない花が、棍棒状の肉穂花序にたくさん集まって付きますが、まだ充分には開かない暗赤褐色の仏焔苞の奥に、わずかに肉穂花序の先端がのぞいていて、多数の小花(両性花)のごく一部を垣間見ることが出来ました。
●ユキワリソウ(ミスミソウ):
クヌギやコナラの落ち葉が積もった林床にポツポツと開花していました。
本格的な見頃はもう少し先でしょうか。
2016年2月10日 (水)
ミコアイサ(パンダガモ)(2016/1)
初めてのことでしたが、今冬幸運にも、去る1月25日、散歩コースの池で「パンダガモ」ミコアイサの一つがいを観察することが出来ました。
その後も引き続き池に”ショートステイ”している仲睦まじい姿を確認していました。
そして、その初見から1週間経過した1月31日、当日は朝から快晴で、つきものの北西の冷たい強風が吹いていましたが、もうそろそろ滞在期限かなと思いながら、午前10時過ぎに池まで観察に行ってきました。
その日は良い条件で観察できましたが、それ以降には、つがいの姿を見ることはなくなりました。
当日が、今後も含めて、おそらく当地観察最後のミコアイサ♂になるかと、少しくどいですが、単なる独りよがりの写真をいっぱい貼り付た記録です。
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①10時16分観察開始:
双眼鏡で探して、コガモなどに混じって水辺に上がっているミコアイサ番(つがい)を発見。
しかし、カメラを向けると同時に突然飛び立ちました。
(以下の画像はクリックで拡大します。)
釣り人がやって来たからでした。
目を離したのでそのまま見失いました。
②それから6分後、はじめにいた近くの水面に♀、♂別々に降りているのを再発見。
暫く周辺の水面を泳いでいましたが、
④14分後、100mほど遠方に2羽浮いているのを見つけましたが、
やはり暫くして、また飛び立ちました。(3回目)
⑤18分後、双眼鏡で、池の一番奥 (観察していた場所から200mほど向こう)に、ヒドリガモ、カルガモ、コガモに混じって、つがいが居るのを見つけました。
⑤遠過ぎるため観察場所の移動開始。
動きを気づかれないようにゆっくりと、水際近くに残された枯れヨシの周囲を回り込んで100mほど先の、釣り人が作ったヨシの切れ目の“釣り場”まで移動。
付近には釣り人の姿もなく、29分後、観察再開。
その場を定位置にして約30分間、飛び立たれることもなく、観察が出来ました。
リラックス出来る状況だったようで、仲睦まじい姿や羽繕いするしぐさをじっくり見ることができました。
⑥少し画像処理して見ると、パンダ模様の中にあって判然とし難かった「黒目」の輪郭も何とかわかりました。
これで、パンダガモ・フィーバーも終わりです。
2016年2月 9日 (火)
2016年2月 8日 (月)
シロヤマブキ果実(痩果)(2016/2)
●シロヤマブキ果実(痩果):
「野の花自然園」で、花はずいぶん昔に見ていましたが、果実は初めて観察しました。
葉もすっかり落とした側枝の細枝先に、(結実後も長く残って枯れた大きな小葉状の萼片に載るように)、光沢があり卵球形で長径7~8mmほどの黒い実が4個ずつ、行儀良く付いているのが目に止まりました。
※シロヤマブキ(バラ科シロヤマブキ属):
落葉低木です。葉は対生します。花期は4~5月で、径3~4cmの両性花を側枝の先端に一つずつ開きます。
花は白色の4弁花で、1花に4本の雌しべがあり、また小葉状の大きな萼が4枚あります。
なお花の寿命は数日間と短いようです。
受粉後の実つきは良く、光沢がある4個の緑色卵球形の果実(痩果*)が形成され、大きな萼片に包まれるようにして茶褐色を経て、秋には黒く熟していきます。
また萼片は4個の果実が熟した後に枯れても長い間残っていることが多く、果実と共に目にすることが出来ます。
(*小さな乾いた果実で、果皮は硬くて開裂せず、中に1つの種子を持つもの)
なお自生地は本州の中国地方の石灰岩地に限られ、自生しているのは稀で、野生のものは将来絶滅の可能性が高いとして、『環境省レッドリスト2015 植物Ⅰ(維管束植物)』* 絶滅危惧ⅠB類(EN) 519種の中に(シロヤマブキ(Rhodotypos scandens)も)リストされています。
(* http://www.env.go.jp/press/files/jp/28075.pdf )
■ヤマブキ:
参考までに、植物の外観は似ていて、山野や公園植栽などでも普通に目にする黄色い花のヤマブキがあります。
こちらはバラ科ヤマブキ属(一属一種)の落葉低木で、一重咲きの場合は5弁花で(八重咲きのものもありますが)、雌しべの数は5本、萼片も5枚、そして枝先に付く(シロヤマブキに比較すると)小粒の果実の数も5個です。
(ただ、全部の実が熟すことはほとんどないそうです。また、八重咲きの場合は実が成りません。
古くから(八重咲きの)山吹と、太田道灌の逸話、「七重八重 花は咲けども山吹の 実の一つだに無きぞ悲しき」、で有名です。)
・なお余談ながら、シロヤマブキ自体は全国の植物園などに植栽されていますし、また園芸店/種苗通販などから入手して楽しむこともできるようです。
2016年2月 7日 (日)
フクジュソウ
昨夜からの雨が深更に及んで短時間の雪に変わったようで、朝にはわずかに降雪の痕跡を留めていました。
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●フクジュソウ:
「野の花自然園」の明るい陽光が射しこんでいる林床に、黄金色に輝いて咲いていました。
なお紅橙色の花もありますが、今回は見かけませんでした。
例年のことですが、年の瀬を迎える頃になると、お正月のお飾りとしてハウス栽培された鉢植えの福寿草がたくさん出回って見慣れてしまうために、初めて見る!という新鮮な感動が湧いてきません。
単に感受性の欠如のせいですが・・・
・余談:
ずいぶん昔のことですが、正月用に買い求めた鉢植えを庭に下ろしたことがありました。
当然ながら、短い根茎から生えた本来の、長くて太めの多数のヒゲ根は、鉢に納めるために短く切り詰められています。
それでも無事に活着しましたが、5月頃には想像以上に葉が茂り、掘り上げてみると、実に長いヒゲ根がびっしり。
一株でも、楽しむためには狭い庭には向かない、ということで止めにしたことでした。
2016年2月 6日 (土)
バイカオウレン
●バイカオウレン
野の花自然園の林床に咲いていた標本です。
梅の花に似て、白い花弁に見えるのは萼片、先端が黄色いヘラのようになっているのが花弁で、蜜腺があります。蜜を求めて小昆虫が訪花します。
※自生分布域や環境は限局的なようで、里山などの自然に自生しているのを観察したことはありません。
余談ながらセリバオウレンに関しても同様です。
2016年2月 5日 (金)
雪割草(ミスミソウ)(2016/2)
このところ本日まで氷点下の気温が続いていましたが、予報では冷え込みは今日で終わり。
日中の気温は13℃で日溜まりは充分温かに。それに連れて天敵の杉花粉も飛び始めたようで、疎ましいことにも。
●雪割草(ミスミソウ):
野の花自然園の林床で一株だけ開いていた真っ白の雪割草。
清楚な感じが印象的でした。(なお白色の花弁に見えるのは萼片です。)
ついでに:
●自宅庭植えの雪割草(園芸種):
何とか消滅しないで経年している、一株しかない庭植えの雪割草ですが、1月中旬に蕾が一つ頭を持ち上げていました。
その後蕾の数もだんだん増えてきて4つになりました。
今朝も氷点下の冷え込みでしたが日中は気温が上がり、明らかに一番はじめに頭を持ち上げていた蕾が、朝よりも開いてきたので記録に。
それにしても葉に元気が無いこと。
※ミスミソウ(キンポウゲ科ミスミソウ属):
多年草で、葉は三角形(ミスミ)に近く、三つに分かれていて雪の下でも常緑であることから雪割草の名前も。
花弁のように見えるのは萼片で、白、紫、ピンク色などがあり、栽培も盛ん。
2016年2月 4日 (木)
セツブンソウ(2016/2)
毎年のことですが、朝から快晴の1日、立春にちなんで春を探しに栃木県まで行ってきました。
車で2時間たらず。
「野の花自然園」地の池には氷が張り、風は冷たかったのですが、点々と小さな春が見つかりました。
1日1花で記録に。
●セツブンソウ:
朝日の射し込む明るい林床に、少数ながらも可憐な花を開いていました。
名前のとおり、既に節分の前から開花は始まっていたようです。
(画像はクリックで拡大します)
2016年2月 2日 (火)
2016年2月 1日 (月)
2月はじまる
終日曇天で肌寒い1日から、2月スタート。
目覚ましラジオからは、鹿児島県・出水平野でツルの北帰行が始まったという便りも聞かれました。
すぐに節分、そして立春です。
●ナナホシテントウ:
昨日のこと、快晴で日中は暖かだった草地でテントウムシを見かけました。
草の根もとや石の隙間などで寒さをしのぎながら冬眠していたテントウムシです。
日中の陽気に誘われて1匹だけ這い出して歩き回っていました。
ただ、当地では、明日から1週間は氷点下の冷え込みが続くという予報ですから、もう少しがまんでしょうね。
南向きの田圃道や畦道には、冷たい雨や雪などは“恵みのお湿り”としてものともせず、除草剤や草焼バーナーの火焔などにも屈することなく、点々と生えてくる雑草仲間などが生育しています。
●シロバナタンポポ:
ロゼットを形成して寒さをやり過ごし、草刈り機の刃を逃れ、花を開き綿毛の種を飛ばしています。
●ノボロギク:
点々と生えています。こちらも綿毛の種を付けています。
●ホトケノザ:
日当たりで群落を作っている春待ち定番の雑草です。
余談ながら、近郊では在来種のイヌノフグリはまったく見ることはありません。
●ギンゴケ(蘚類):
コンクリート上に生えていた小さな塊ですが、どこにでも普通に生えて大きな塊に生育しています。
植物体の高さは3~10mm、灰緑色~白緑色~銀灰色。葉の先の部分には葉緑素がないため、白緑色に見え、乾くとより銀白色にみえます。