ハシビロガモ(2016/2)
散歩コースのあまりきれいではない小さな川(用水路)には日常的に、ヒドリガモが群れでやって来ます。
ヒドリガモの基本的な食性は植物食(水生昆虫や軟体動物を食べることもあります)で、日当たりの良い川筋の堤防斜面に生えたイネ科雑草の新芽/新葉を採食するためです。
(1月初旬の草地)
そのせいで、今頃の斜面は芝刈り機で手入れされたようにきれいな草地になっています。
(2月中旬)
●ハシビロガモ4羽発見(1月15日):
その様な折柄、穏やかな冬晴れになった1月15日の午後2時過ぎ、通りかかった川筋の下流側に、いつものようにヒドリガモが川に群れていました。
そして、その中に逆光気味で見分けが難しかったのですが、1羽のハシビロガモ♂が紛れているのに気がつきました。(○印)
(なお、この時点ではそれ以外のハシビロガモには気がつきませんでした。)
緩やかながら流れのある小さな川ですから、休息などではなく、もっぱら採餌・採食が目的で短時間降り立ち、採餌しながら通過していくだけで長居することはありません。
ただ、広い池などで休息していると遠くてわかりにくいですが、小さな川では距離がぐんと近くになるため、撮影には絶好のチャンスです。
もっともその様な機会は大変少ないのですが。
●ハシビロガモ♂(冬鳥)(カモ科マガモ属):
冬鳥として湖沼や河川などに飛来します。(北海道では一部繁殖するそうです)。
カルガモよりやや小さく 全長♂51cm、(♀43cm)。
♂の目(虹彩)は黄色で、おしゃれな羽衣は白い胸、赤茶色の腹、そして雨おおい羽は緑青味をおびたきれいなもの。
ただ、名前のとおりシャベルのような形の、長めで横幅が広い嘴がなんともアンバランスな印象。
素人にもわかりやすくて良いのですが。
大きな嘴を水面に漬けて、ぐるぐると水面上を回りながら水中の有機物(水草の種やプランクトンなど)を水ごと飲み込み、幅の広い嘴の内側の縁にあるくし歯突起(板歯)で濾過して食べ、水を排出しています。
ちょうどこの時、犬連れの散歩人がやって来て、突然犬が川に向かって猛然とダッシュ。
犬の鎖を離したようでした。
“鳥は捕まえられないよ~”等と、先に走っていく犬を追いながら、犬、人、鳥、そして風と共に去って行きました。
それから10分ほど後、一度は飛び立った鳥たちが、今度は上流側に再び舞い降りてきました。
そして上流側に向かって泳いで行くのを追っかけに。
光の向きも撮影には好条件になって、「お犬様」のおかげです。
●ハシビロガモ番(つがい):
最初に目にしたのはカルガモ集団と少し離れて泳いでいた一組の番(つがい)でした。
多分、最初に♂を見かけた時から、一緒に近くにいたのでしょうね。
暫くして、また上流から2羽の成鳥♀が下流に向かって連れだってやってくるのを見つけました。
・画面左上2羽が、こちらに向かってきた♀成鳥、右の2羽が上流に向かって行く番。その下の群れはカルガモ。
そして、番に合流すると、4羽は上流に向けてカルガモの群れから離れて泳ぎ去り、やがて飛び去っていきました。
以上、実質の観察時間は数分間の短いものでした。一期一会です。
■今冬シーズン2回目のハシビロガモ♂1羽(2月12日):
そして本日(2月12日)、同じ川でやはり午後3時前、ポツンと1羽だけ大きな嘴が分かる鳥の影があり、近寄ってみると,やはり移動中に立ち寄ったハシビロガモでした。
嘴で岸辺近くの水面を浚うようにして採餌していました。
明るいところで確認した姿は、サブ・エクリプス(頭や、他の一部を換羽して、繁殖羽に成りかけの状態)の♂と思われる個体でした。
これが最後の観察になるかも知れません。
暖冬のため、冬鳥たちも北帰行に向けて、旅立ちの集合地への移動も早めになっているのでしょうか。
| 固定リンク
「鳥」カテゴリの記事
- チュウダイサギ(婚姻色進行中)(2021.05.15)
- ムナグロ(旅鳥)通過(2021.05.03)
- まだいるコガモ(冬鳥)(2021.04.28)
- ムナグロ(今シーズン初見)(2021.04.24)
- 雑記(クリスマスローズ開花ほか)(2021.03.07)
コメント