オオフタオビドロバチ
はっきりしない梅雨空のもと、6月も終わりに。
先日、雑草取りをしていた庭に、普段あまり見かけないハチが1匹やってきました。
●オオフタオビドロバチでした。
・今は使用していない鉢棚の板の周辺を熱心に歩き回ったりして巣作りの“穴”を探していたようです。
再び飛び立って、今度はリビングの日よけにしているヨシズの支柱の竹竿や、ヨシズの竹の点検を始めました。
・まずは、ヨシズの支柱に使っている水平の古竹の穴点検から。
何回も繰り返し穴に出入りし点検していました。
熱心に出入りを繰り返して穴の“整備清掃?”をしていたようですが、気に入らなかったものか、一度飛び去っていきました。
(画像はクリックで拡大します。)
・次に気がついたのは、今度は古竹筒のすぐ上にある、まだ比較的新しいヨシズの横棒竹筒入り口につかまって何かしているところ。
カメラを向けていると、後ろ向きの姿で引き出してきたのは黄緑色の幼虫でした。
そして、何をしようとしていたのかわかりませんが、出てきた直後に、どうしたのか咥えていた幼虫を落としてしまいました。
ハチはすぐにまた入り口に戻りました。
何時までもかかわっていては草取りが進まないのでこれで観察中止に。
・3日後の午後5時過ぎ、何気なくリビングから外に目をやった際に偶然、先日の個体と同じらしいハチが、何か泥土のようなものを咥えて来ては、また同じヨシズの竹筒横棒に頭部を入れて向きを変えながら何かをしている様子。
しばらくすると飛び去って、また泥土らしきものを咥えて戻ってくるという繰り返しです。
外に出てから覗いてみると( これより以前の事は見ていませんから推測に過ぎませんが、どうやらこの竹筒が気に入って、巣を作り、新たに狩ってきたガの幼虫を中に入れ、産卵するという作業が終わりになって、最後の”工程"を進めていたころだったようです。)
・巣の仕上げとして、泥土を運んできては穴の少し奥周辺にリング状に塗りつけて行き、
・そして最後に、さらに穴を狭めて完全に塞ぐ壁塗りを行っているところだったようです。
この間も、随時飛び立っては棒状にした泥土を咥えて再び戻ってきます。
写真8番のところでは、まだ縁のところに幅が残っていますが、この後さらに塗り増しして縁幅の部分がなくなるまで厚塗りしていました。
10番目の観察分で、最後の入口塞ぎが終わったようでした。
(画像はクリックで拡大します。)
・その後2日間雨降りが続いた日の蓋をされた竹筒の穴です。
”壁土”はまだ乾いていないように見えました。
この後はこのまま年を越すのでしょうか。ヨシズは酷暑が終われば取り外してしまうので、どうしたものか・・・
※オオフタオビドロバチ(スズメバチ科ドロバチ亜科):
大きさ(体長) 17~20mm。木や竹の空洞に、泥土を用いて巣を作ります。
体は黒色で、名前のように腹部に2本の黄色い帯があり、頭楯(顔面中央)も黄色、また前胸部背板にも黄色班があります。
通常、前胸部背板には2対、4個の黄紋があるようですが、1対2個が不明瞭な個体もいるようです。
♀は、木材に開いた穴や竹筒などに、泥で仕切り壁を作って(管状空間の長さに依っては複数の仕切りで)巣を造ります。
その後,一つの巣に、小型のハマキガやメイガなどの幼虫を毒針で麻痺させてから運び入れて詰めるとそこに産卵し、幼虫の餌とします。
作業がすべて終わると最後の巣穴の入り口を泥土で壁塗りし、完全に塞ぎます。
成虫の活動期間は5~10月。
幼虫で越冬します。
分布は日本各地。