カツラ新葉の溢泌液
雷雨があったり、晴れて気温が異様に上昇したりの昨今。
散歩コースの公園のソメイヨシノもどうやら七分咲きほどになりました。
先月下旬には、複数ある公園植栽のカツラ(雌雄異株)が、新葉の展開に先立って雄花/雌花を開きはじめていましたので、写真撮りに行きました。
そして4月はじめ前後から、複数ある樹のいくつかが、遠目にはぼんやりと黄緑色を帯びるようになっていました。
その1本の雄株の傍に行ってみると、現在雄花はもう終わって、新葉の展開が始まっているのです。
すでに花粉を排出して枯れた雄蕊の残骸が残っている枝にカメラを向けた時に、展開している新葉の縁がきらきら光るのに気がつきました。
■「溢泌液(いっぴつえき)」:
新葉の傍に寄ってマクロモードで撮影した画像を拡大してみると、光っている小さな水玉は、カツラの新葉ではじめて観察した「溢泌液」でした。
見る角度に寄って肉眼でも何かあるのが分かる程度の小さな水玉で、ルーペがあればわかりやすい程の小さなものです。
撮影したのは、晴れて気温も20℃まで上がった正午前のことでした。
●カツラ(雄株)での観察:
(画像はすべてクリックで拡大します。)
・雄花が枯れた後に、新葉の展開がはじまっています。
葉の大きさの目安としては、まだ一円玉~10円銅貨ほどです。
・葉の周縁にある「水孔」から排出された溢泌液で出来た小さな水玉。
※「溢泌液(いっぴつえき):
草木の葉の先端、あるいは葉の周縁部分にある排水組織の「水孔」*から排出されて小さな水玉になっている液体のこと。
この水玉は、朝露など葉の上に見られる“水玉”とはまったく異なった植物生理学上のメカニズムによって形成されたものです。
成熟葉よりも、若葉の時によく見られるらしいですが・・・。
参考
溢泌液;水孔について
① 故人になられました2016(平成28)年2月23日)が、植物生態写真家の埴 沙萌(はに しゃぼう)さんは“溢泌液”よりも「草露」と呼ぶことにしている。葉の上にのった雨の水玉と、(朝)露の水玉は、さわるとすぐ落ちます。でも葉の中から出てきた水玉は,葉をちょっと揺らしても落ちません”と著書*で解説され、「ワレモコウ」の葉の縁に水玉が輝く、ほんとうに見事な写真を掲載されています。
(*『足元の小宇宙』 82歳の植物生態写真家が見つめる生命 ) 2013/11/27 NHK出版)
②日本植物生理学会( https://jspp.org/ )
③*水孔(water pore):( http://had0.big.ous.ac.jp/ecologicaldic/s/suikou/suikou.htm )
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