ムクロジの花
近隣公園の一角に、1本のムクロジの樹があります。
下枝は剪定されていて見上げる位置にしか枝葉はありません。
今春、同公園を訪れた際に、地面に淡褐色の丸い実が点々と落ちているのが目にとまり、いくつか拾って帰りましたので、雌株です。
中に大きな黒い種が入っていて、振るとカラカラと音がします。
(なお余談ながら、過去に別の植物園で、まだ果皮が緑色の果実を観察した記録があります。果実は液果で種は熟すと黒くなります。)
●ムクロジの花(雌花):
先に、同公園のあじさい見学に行った際に、ムクロジも花の季節だったことを思い出して立ち寄ってみました。
予期したとおり、長い円錐花序にたくさんの蕾がぎっしり付いていましたが、
開花した花はまだ少数でした。
花は目立たない地味なものです。
本種は雌雄異株で、雌株についている花は(当然)、雌花ばかりでした。 (後日過ちに気付き、下記の通り修正しました。)
ムクロジ目には沢山の種類が有り、雌雄異株の種類も有りますが、羽根つきの玉にするムクロジは雌雄同株で、一本で結実します。
この場合は雌雄同株で雌雄異花なので、円錐花序には雄花と、花柱が飛びだした雌花が別々に付きます。
前年の結実は確認済みですから、雌株は、雄株の花粉がなくても結実するのでしょうか。
※ムクロジ(ムクロジ科):
雌雄異株の落葉高木で、樹高15mほどになる。
葉は偶数羽状複葉。
夏(梅雨時期)に、長さ20~30cmの円錐花序に、径4~5mmの小さな淡黄緑色の花を多数つける。
花弁は厚ぼったくはっきりしないが4~5枚で、雌花には雌蕊と短い雄蕊ある。
なお、雄花には8~10個の長い雄蕊がある。
晩秋に径2センチほどの果実ができる。中に黒い種子が1個。種子は羽子板の羽の錘や数珠に使われた。
果皮にはサポニンを含み、石鹸の代用に使われたこともある。
分布は 本州(中部以西)、四国、九州。
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